迫力の花鳥
京都文化博物館は金曜は19時まで入場可ということだったので、仕事終わりに同行者と合流して入館した。1階でチケットを買い、4階までエレベーターで移動した。
4階は撮影可。まずは「筧」がお出迎え。所狭しと描き込まれた卯の花に圧倒…readmore
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石崎光瑤(いしざきこうよう 1884〜1947)は、明治後期から昭和前期にかけて京都を中心に活躍し、鮮やかな色彩で独自性に富んだ華麗な花鳥画を数多く残した日本画家です。
富山県に生まれた光瑤は、石川県金沢に滞在した江戸琳派の絵師、山本光一に師事、その後19歳で京都に出て、日本画の大家である竹内栖鳳に入門しました。1916年から翌年にかけてインドを旅し、帰国後、その成果として熱帯風景の花鳥画である《熱国妍春》(京都国立近代美術館蔵)、《燦雨》(南砺市立福光美術館蔵)を描いて文展・帝展で特選を重ね、注目を集めました。1922年の《白孔雀》(大阪中之島美術館蔵)もそうした時期の傑作です。その後、ヨーロッパにも外遊、1933年には再びインドを旅します。
光瑤は、早くから伊藤若冲に関心を持ち、1925年には若冲の代表作を発見、雑誌に紹介しました。また、若冲のみならず京狩野など広く古画を学習し、制作にも活かしました。
本展では、生誕140年の節目に、光瑤の故郷・南砺市立福光美術館(富山県)のコレクションを中心に、初期から晩年までの代表作を一挙公開し、光瑤の画業の全貌を紹介します。
会期 | 2024年9月14日(土)~2024年11月10日(日) |
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会場 | 京都文化博物館 Google Map |
展示室 | 4・3階展示室 |
住所 | 京都府京都市中京区三条高倉 |
時間 |
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休館日 |
月曜日 祝日の場合は開館、翌日休館 |
観覧料 | 一般 1,800円(1,600円) 大高生 1,200円(1,000円) 中小生 600円(400円)
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TEL | 075-222-0888(代表) |
URL | https://www.bunpaku.or.jp/exhi_special_post/20240914-1110/ |
京都文化博物館は金曜は19時まで入場可ということだったので、仕事終わりに同行者と合流して入館した。1階でチケットを買い、4階までエレベーターで移動した。
4階は撮影可。まずは「筧」がお出迎え。所狭しと描き込まれた卯の花に圧倒…readmore
4.0
石崎光搖回顧展のチラシを見ていて、この画家はスゴいかも、と期待が膨らみ、本展に行ってみました。富山県の福光美術館の所蔵品が大宗ですが、生誕140年にして大規模回顧展は全国初とのこと。
期待以上、感激でした。
4章から成る展示構成はオーソドックスに年代順ですが、まずは第1章冒頭の《虫類写生》。12~19歳頃作の図鑑のような昆虫写生ですが、細部まで見事。栴檀は双葉より芳し。続いて、六曲一双の《富山湾真景図》、14歳にしてこんな大屏風画を仕上げている。
第2章では、22歳頃のインド旅からの作品群。《熱国研春》《燦雨》は、サイズも巨大、絢爛たる色彩、写実的でもあり装飾的でもあり。迫ってきます。
二曲一双の《雪》は、2mを超える縦長の画面いっぱいに、右績は紺に銀泥、左隻は緑に金泥、の色彩対比。その上にたっぷりと白雪が乗っかり、様式美にして斬新さも映えます。
第3章、30半~40歳代では、従前のビビッドな色彩遣いが深みある洗練さへと転じてゆく。熱帯林と極楽鳥を描いた《麗日風鳥》は南国版の動植綵絵、若冲研究が見て取れます。赤いモミジの《秋光》では、数あるモミジ葉を、まるで望遠レンズ開放絞りで撮った写真のように、前後でピンとボケを配置して遠近表現しており、面白い。
金剛峯寺の奥殿襖絵はなんと外国。ヒマラヤの山並み雪景を採り入れていて、これも斬新ですが優美に調和してます。
第4章、50歳代以降は、画面たっぷりに余白をとった端正で静かな画風に変化します。解説によれば、光搖の範とする古画が年代とともに変わったことによるもの。この頃は中国の伝統的花鳥画に関心が寄せられたようです。
週末の午後でしたが、然程混んでおらず、じっくりと堪能できました。
惜しむらくは、展示ケースのガラスの継ぎ目。大作のド真ん中を遮るため、やや気になりました。
もっともっと、知られてよい画家ではないでしょうか。
3.0
今年は花鳥画が得意な画家の大規模回顧展が3つあって、全部見る計画を立てていました。春に東京で池上秀畝展を見て、夏に千葉で岡本秋暉展を見て、最後は秋に京都で石崎光瑤展を見る、という流れです。
事前情報から予想していたものとは違いましたが、その分面白い作品が多かった気がします。
伊藤若冲に絡めたプロモーションを展開していたけど絵面的には上村松篁っぽいし、インドの熱気よりヒマラヤの冷気を描いた作品の方がインパクト大きいし、やっぱり会場に足を運ばないとわからないものですね。
まず、背の高い二曲の屏風が多い!「雪」は松と雪の風情が美しいけれど、縦は軽く2m超え!大きすぎて普通の家屋には置けないのでは?川端龍子と同世代だから会場芸術に傾いた?など、いろいろ考えながら見ていました。
また、襖絵の「虹雉」もダイナミックでした。ヒマラヤシャクナゲを初めて知りましたが、ボール状の不思議な形。画像検索したらクルメツツジに似た花が出てきて、描かれた花とは似ていない…。90年前とは品種が違うのかもしれません。それにしても、金剛峯寺奥殿の襖絵がヒマラヤ山脈って、なかなかの取り合わせですよね(笑)
水曜日の17時過ぎに入館したので、ナイトミュージアム用のリーフレットをいただきました。ちょっとうれしい。
5.0
石崎光瑤は名前も知りませんでした。ゆくりなく図書館で見た石崎光瑤展のポスターに惹かれ、そこに掲載されていた作品「燦雨」が、上村松篁の「燦雨」と見紛うように似ていたことも気になって、展覧会が始まってすぐに足を運びました。
会場は屏風絵の大作が多数陳列され、華やかで力強く描かれた自然の風景の中に引き込まれるような気持ちがしました。会場にあったパネルの解説で、上村松篁は少年時代に石崎光瑤の「燦雨」を見て強く感動し、後に自分の「燦雨」を描いたことを知りました。
今まで知名度が低かったことが不思議に思う、素晴らしい画家です。
5.0
富山県福光生まれ。12歳から金沢で琳派を学ぶ。19歳で京都に出て竹内栖鳳のもとで学ぶ。
画歴の最初の頃の昆虫や花の絵も素晴らしい。博物学的な絵が好きなので大満足。
父の死をきっかけに登山に目覚める。インド行きは自然と山と建築が見たいから。←わかる。
旅行中の記録写真の中にスリランカのホテルが。ここから夕陽を見たなぁ。
絵の大きさと絵具の凸凹と金箔の豪華さ、屏風に仕立てたときの見え方は写真ではわかりません。
ぜひ実物を見て欲しいです。
北陸以外ではほぼ初めてとなる花鳥を描いた近代京都の日本画家・石崎光瑤(いしざきこうよう 1884-1947)の初期から晩年までを網羅した大回顧展が京都文化博物館へ巡回しています。
★4階会場は撮影可です。
明治17年富山に生まれた光瑶は…readmore
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