山王美術館 開館15周年記念展 「コレクションでつづる 藤田嗣治・佐伯祐三・荻須高徳展」
山王美術館|大阪府
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油絵の競演
某バンドの大阪城ホール公演での物販購入後、開演まで時間があったので歩いて山王美術館へ行き、バンドTの格好で鑑賞した。
3フロアを使い、1フロア1作家展示されているのがオシャレ。はじめだけ3作家の絵画が並べられて、比較できるようになっているのも良かった。
まず、佐伯祐三。マチエールがすごかった。絵の具の塊がベタッと張り付いている。絵画の一面が絵の具の筆跡で、奥行きがない平面的な印象を受けるが、建物の壁のボコボコした質感とか、舗装されていない道の感じとか、樹々の生々しい生命力とかがマチエールによって表現されていて、絵画のアクセントになっていた。
次に、荻須高徳。これは、はじめに3作家並んでいる時にも既に顕著だったことだが、絵画の全体の雰囲気は、平面的な感じ、風景の印象をとらえる絵の具のタッチが写実的でない感じなんだけれども、1つの窓やドアが陰影のせいかボコッとへこんでるように見えて、そこだけ騙し絵のようにリアルな奥行きが生まれて、絵画に不思議な印象を与えていた。
最後に、藤田嗣治。佐伯と荻須と比べると、やはり異質。油絵の具なのにどうしてこんなに色が淡いのか。しかし、くすんだ緑や淡い黄色の中に、衣服の黒や薔薇の赤黒い色があると、ドキッとするような目を引く効果があった。あと、日本画は青や緑が美しいと思っているが、油絵の具は女性の亜麻色の髪を表すのに最も適した画材だと思った。
同じ油絵という表現方法であるが、3作家の違いが比べやすく面白く鑑賞できた。