山形の美術 山形美術館60年のあゆみとコレクション
山形美術館|山形県
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60年の総集編 地元ゆかりの作家作品が見もの
3年ぶり3度目の訪問です。今回も空いてます。じっくりと鑑賞できます。
1階の常設コレクションは充実です。中央のロビーには、当館の中核をなす3コレクションの一角「服部コレクション」より、ピカソ、シャガール、ルオーの各大作がドドンと。
右手の展示室は和モノ・中国モノの「長谷川コレクション」。目玉の六曲一隻の与亜蕪村《奥の細道図屏風》(重文)は見目愉しい作品で好きです。
左手の展示室はフランス近代絵画の「吉野石膏コレクション」。印象派からポスト印象派の超大家の豪華作品が約30点。ヴァン・ゴッホは初期の農民画、意外と見る機会が少ないように思われ新鮮でした。ですが、多くは各作家のど真ん中の作風のモノ。立派です。今回の個人的な推しは、キスリング《背中を向けた裸婦》、らしさ満点の端正な婦人画です。
そして、60周年を飾るエッセンスは、2階の大きな展示場いっぱいに広がる山形ゆかりの作家達の饗宴。殆どは知らない作家ですがド迫力の見応えです。
マイ・ピックアップをいくつか。
・高橋由一《鮭図》
東京芸大(重文)よりも乾いておらず、笠間日動より丸々していて、由一の鮭三作の中では一番美味しそうな。
・新海竹太郎、その甥竹蔵の彫刻
竹太郎《こごえる手先ふところに》竹蔵《結髪》《M嬢》は情感豊かでリアル。
・小松均《最上川源流》
横4m/タテ1mの大作三枚が縦に並ぶ連作。最上川を上流から中流に下ってくる。写実的だが故郷への情熱に溢れる力作。
・近岡善次郎《雪の済生館》等、
・椿貞夫《道》《富士山》等、
・桜井浜江《臥像》等
山形画家として記憶にとどめたい作家。
当館、実は県立ではなく民間主導なのですね、今回の訪問で認識しました。日本・西洋近代・地域の三軸を目指すという、地方美術館のあるべき姿を追求し示現させてきた歴史。50周年はあっても還暦はなかなかない。それでいて、昨年は川瀬巴水や高橋龍太郎コレクションの企画展をやったりと、コンテンツも良いとこ押さえて色褪せない。
これからも楽しみにしております。
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