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エド・イン・ブラック 黒からみる江戸絵画

エド・イン・ブラック 黒からみる江戸絵画

板橋区立美術館|東京都

開催期間:

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嗚呼、しかし何という眼なのだろう

本展は幾つかのサイトで詳しい紹介がされていますので、敢えて付け足すべきことはあまりないのですけど、まだ触れられてない(と思われる)ことが一点あるのでそれについて書いておこうと思います。

今回展示されている窪俊満の肉筆浮世絵などをよく見るとお気づきになるかと思いますが、明所はカラーで、暗所はモノクロームで描かれています。

これは人間の視覚のしくみをよく反映した表現です。人間の眼は明所を見るときと暗所を見るときとでは視細胞を使いわけているのです。前者の視細胞(錐体)は三原色を知覚できますが、後者の視細胞(桿体)は色を知覚できず、その替わりに受光感度が高いつくりになっているのです。

このあたりの詳しい説明をお知りになりたい方はこちらをどうぞ。
https://www.santen.com/jp/healthcare/eye/eyecare/wonders/retina
https://www.ccs-inc.co.jp/guide/column/light_color/vol14.html

西洋の画家もこの「光と闇の空間における色の見え方の違い」を描きわけています。
都市の夜景を良く描いたエドワード・ホッパーが分かりやすいかと思います。例えばこんな感じ。
https://www.theguardian.com/artanddesign/2018/feb/02/edward-hoppers-night-windows-evoking-voyeurism-and-intrigue

ゴッホの代表作のひとつ『夜のカフェ・テラス』も同様です。
https://thefogwatch.com/arles-van-gogh-night-cafe/

かつてセザンヌはモネを評して“彼はひとつの眼にすぎない。嗚呼、しかし何という眼なのだろう!”と語ったそうですが、この「光と闇の見え方」に独力で気づくことのできた俊満を初めとする江戸の絵師たちの観察眼に対しても、同様の評価を与えて良いのではないでしょうか。

そして、彼らが追及した夜の表現の集大成とも言えるもののひとつが、葛飾応為作「吉原格子先之図」なのではないかと思っています。
https://www.ukiyoe-ota-muse.jp/yoshiwarakoushi/

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