東山魁夷と風景画の旅:日本から世界へ
福田美術館|京都府
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濃淡の遠近
この日の京都は朝から10センチくらい雪が積もっていて、雪景色の嵐山・渡月橋は風情の暴力だった。
わざわざそんな極寒の日にバスに乗り、横断歩道が見えないくらい積もった雪を踏みしめ、ブーツがしゅんでぐしゃぐしゃになりながら福田美術館へ向かったのは東山魁夷を見るためである。私はなぜか小学生の頃から東山魁夷が好きだった。
東山魁夷と言えば、深い色をした常緑樹の林、瞑想に誘う静謐の世界であるが、今回の展覧会で、その世界の秘密の一端が分かったような気がする。
彼の絵画を見ると、絵の奥へ引き込まれるような、絵の先に何があるのか分け入って行きたくなるような気持ちになるが、それは近いものを濃く、遠いものを淡く描く遠近法によるものだった。その濃淡の遠近法に加えて、風景の奥に目を引くような色彩を入れる(「春暁」のエメラルドグリーンの茂み、「静けき朝」の白樺)。それによって、その色の先に何があるのか気になるような気持ちになるのだと思った。
また、今回良かったのが最後に展示してあった中村岳陵。空を背景に枝をアップで描いた構図が面白かった。花が咲いた枝を大きく描いた「陽春」は、キャプションにある通りミモザの花束のようで美しかった(作品一つ一つのキャプションが丁寧で、撮る気のなかった作品も、キャプションを読んでいるうちに撮りたくなってしまった。ただ、中村岳陵の作品は、残念ながら撮影出来なかった)。
続いて清水へ行くため、渡月橋を渡って阪急嵐山駅へ向かったが、こんな日に渡月橋を渡るべきではない。川から渡ってくる風に吹かれて凍え死ぬかと思った。
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