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特別展 雪舟伝説 ―「画聖」の誕生―

特別展 雪舟伝説 ―「画聖」の誕生―

京都国立博物館|京都府

開催期間:

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画聖と書いてカリスマと読む

最初に結論から申し上げると、この「雪舟伝説」展は、雪舟という画僧の作品とそれに影響を受けた後世の画家たちの作品を観て知るには最良かつ最高の展覧会です。
とにかく集結した作品が完璧と呼べるぐらいの充実度で、附された解説も初心者からベテランまで誰もが得心の行くまで十分理解できる内容で、まさに "ALL ABOUT SESSYU" とも呼べる見事な企画展だと思います。

京博平成知新館に入りエレベーターで3階に上がり最初の展示室に入るやいなや、いきなりKOされます。
その部屋には雪舟の国宝6点が全員集合しているからです。先頭打者の《秋冬山水図》が先制ホーマーを放つと、以下2番打者から6番打者まで6連続ホームランです。
こんな見せ方って、私は初めてです。およそ「もったいぶる」なんて言葉は無縁の展示順は、ブラボーにも程があると言いたいくらい感動ものです。

雪舟の国宝は、いろんな展覧会へ出張していくことが多いのですが、国立の博物館で国宝展やったとしても6点全部が一斉に60日間連続展示されることは、まずないと思います。したがって、今年はもうこの京博以外では見られません。
ただ《四季山水図巻(山水長巻)》だけは、前期と後期で半分ずつの巻替えがあります。
これはなぜかというと、所有する毛利博物館で毎年晩秋に開催される国宝展で、1か月間全巻開帳されるからです。

ですから雪舟国宝をコンプリートで見たい方は、当展の前期後期両方に行けばそれが叶います。
国宝6点という数は日本の画家で最多、重文と合わせたらもっと多くなり、さらに「伝雪舟」も入れたら日本の画家で最もその指定数が多いのは雪舟で確定です。
まあ、そういう文化財指定を受けていてもいなくても、作品見たらその良さは大人から子供まで誰もがわかるはずです。

そして雪舟のすごいとこは、雪舟以後の室町、桃山、江戸期の画家たちもKOしたとこにあるのです。
当展は実はそこにSPOTを当て強調している点が、第二のキモなのです。

当展は全7章から成り、1章、2章が雪舟作品、3章から7章が雪舟インスパイア画家たちの競演となっています。その面々が超絶スゴイ。
雲谷派は言うに及ばず、長谷川派、狩野派等の典型的な雪舟フォロワーたちを筆頭に、琳派から奇想の連中、しまいには北斎まで、ありとあらゆる日本絵画史に名を残す画家は、全部が全部雪舟LOVEな面々と言っていいでしょう。
モチーフは山水図、西湖図、竹林七賢図などいろいろですが、就中、永青文庫の伝雪舟筆《富士三保清見寺図》を、いろんな画家がいかにパクったかが当展の見所です。
雪舟の富士山図はタマネギ頭の山頂が聳え、下半分に中国風の山水画を配した構図で、ほんとに見たのかって感じはするものの、この構図が気に入ったのかどうか、山雪も蕭白も江漢も右へ倣えで描いてるのが実に面白い。
だけどやっぱり蕭白は一味違うなあとは思う。三保の松原に虹を架けるのだから。

展示終盤は足腰も目も疲労困憊になるぐらいの質と量の作品ですが、中には息抜きのオモシロ画もあって退屈しません。
勝川春章の《初宮参図巻》には、画中画として山水画があり、そのそばに置かれた木箱の箱書きには雪舟の文字が。
そのすぐ左方に目をやると、あれまあの男女シーンがチラ見できます(笑)
北斎の《山水図》は、国宝《破墨山水図》のまんまパクリです(笑)

で、京博のジョーカー《四季花鳥図屏風》へのトリビュートとして若冲が登場するという、まあ文字通りの「絵に描いたような」構成でしめくくられます。
京博の平成知新館を全館使っての大展覧会は、本当に見て楽しくためになる今年上期の白眉でしょう。
わざわざ京都へ行く価値ありますので、ゴールデンウイークの行先候補にいかがでしょう。

ただ、この円安時期、どこもそうでしょうが、外人観光客さん激増しており、京都も例外ではありません。
京都駅前の市バス乗り場の京博方面行は206系は長蛇の列ですので、208系か八条口からの京都女子大行の私バスに乗るのが賢明です。

ここからオマケ情報ですが、京博の後は徒歩5分の智積院宝物館へ行ってみてください。
新築オープンして間もない施設で、長谷川等伯・久蔵父子の国宝障壁画が四方を飾る展示室は至福の鑑賞空間となっています。
有名な《楓図》、《桜図》をメインに、《雪松図》、《松に秋草図》、《松に黄蜀葵図》、《松に立葵図》の国宝6作に囲まれて極楽タイムが過ごせます。
入館料500円はコスパ抜群、今ならまだ来訪者も少ないので超オススメの穴場です。

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