【特別展】癒やしの日本美術―ほのぼの若冲・なごみの土牛―
山種美術館|東京都
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日本画ビギナーにも楽しめそう
日本画の知識は相当に乏しい私だが、アーティストやその美術館の所有物の歴史・背景等を知らなくても、充分に楽しめる展覧会だった。まず長沢芦雪。とても有名で人気のある絵師さんらしい。「七福神図」をまず目にしたが、何だか藤田嗣治みたいな筆致だな…というのが第一印象。「菊花子犬図」は展示作品の中で唯一写真撮影が可能なもの。いわゆる”もふもふ"感が見て取れて、対象への観察力が半端ないと思わされた。伊藤若冲。この方は私も見たことあるぞ。「伏見人形図」は布袋様の丸っこいフォルムに笑顔になってしまう。個人蔵となっているものが多かったので、どちらかの若冲推しの方が所有して楽しんでいらっしゃるのかと、かなり羨ましく思う。果物のびわが好きな私は、個人的な好みで奥村土牛の「枇杷と少女」が一番気に入った。この少女の素朴な感じ。枇杷の木の横に彼女がいるだけで、生活感が出てくる。自分の幼少期の枇杷収穫の体験がジワジワと蘇って来た。日本画というと高尚な感じがして少し敷居が高い気もしていた。しかし技術の理解とか歴史などをあまり生真面目に考える必要はなく、それぞれの作品を見て「これは好き…これはちょっと…」などと気楽に見ればそのうちに理解が深まるのではないか。山種美術館は1階にCafe椿というお店があり、展示されている作品にちなんだ和菓子を提供している。現在の展覧会向けには、奥村土牛の「兎」をイメージしたうさぎの形の「はくと」という和菓子や、小茂田青樹「愛児座像」にちなんだ「晴れ着姿」などの和菓子が準備されている。こちらを楽しむことでビギナーでも日本画への親しみ深まりそうに感じた展覧会だった。
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