大吉原展 江戸アメイヂング
東京藝術大学大学美術館|東京都
開催期間: ~
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皆様お疲れさまでした
とりあえず無事に開幕し大盛況で閉幕したこと、お慶び申し上げます。
ネットでの炎上を皮切りに、首都圏のマスコミでどんな取り上げられ方がしていたのか、地方人には知る由もないのだが、主催者側もさぞかしご苦労だったことでしょう。
私は会期終了間際に行くことができて、やれやれといったとこです。
この「やれやれ」にはいろんな意味があって、まずは客が多いことへのやれやれ。
とにかく会場は大混雑で身動きとりにくいことに閉口。でも私もその中の一人だから我慢我慢。
次の「やれやれ」は、この展覧会のどこに問題があるってんだという、半分怒りのやれやれ。
そりゃまあ、今の時代にこんな桃色パラダイスあったらトンデモナイことだけど、そんなものあるわけないし、前世紀のあだ花的な遺物にも文化はあって、それを集大成的に紹介するという、いたって真面目な展覧会にいちゃもん付ける人もいるんだなというやれやれ。
続く「やれやれ」は、そんなクレームにビビって、とってつけたようなお断り文を出したり、メインビジュアルの福田美蘭作品のロゴの色を変えてしまった主催者の情けなさ。やると決めたら堂々とやればいいのにねえ。
美蘭さんがせっかく母校のために一肌脱いでくださったのに、恩を仇で返すような仕打ちじゃないか。本当にやれやれだ。
そして最後の「やれやれ」は、なんでもかんでもネットでの発言に左右されるみたいな風潮。
当展にかみついた漫画家さんて誰よ? 全然知らん人だけど、そうまで重視される人なの?
で、着火されたボヤに油を注ぐ人が次々と登場。挙句の果てが大騒ぎに。これがほんとの「吉原炎上」ってか。シャレにもならん。
これらもまた「多様性」の一例なんでしょうか。やれやれ過ぎて疲れました(笑)
ようやく展示について書きます。(やれやれw)
感想に替えて一句ひねれば、「吉原や ああ吉原や 吉原や」
それほど、この遊興施設ってすごいとこだし、お江戸の大衆文化の中心的存在だったのは違いないのではなかろうか。
で、そこに遊びに行ったついでに、その風景やお勤めに励む女性たちを描いた絵師たち。絵が売れて小金が貯まればまたまた利益還元とばかりに吉原へ繰り出していく。
ほんと、需要と供給のバランスをとりまくって、吉原文化が成り立ってたんだとつくづく思う。
絵師で目立ったのは、なんたって歌麿。これほどまでの数で、しかも極上の出来栄えの作品が集まるのは滅多にないことだ。
そしてその中でも燦然と輝く超大作《吉原の花》。これ、日本にあったら国宝でしょ。でもそのモチーフに噛みつく人がいるから無理かな?
まあとにかく、私の印象に残ってるのはこの作品だけだと言っていい。他の歌麿作品も、絵師の作品も素晴らしいのだが、この一作の前ではどれも影が薄い。
次はいつ里帰りするのかわからないので、本当に見れてよかった。
でもこれ、誰か買い戻す日本人はいないのか。その暁には歴史に名を残せるのだが・・・
高橋由一の《花魁》を見るのは2回目。今回は修復後初の展示だそう。
解説キャプションに面白いことが書いてあった。
この女性、名を小稲太夫というんだそうで、そのコイネさんが絵を見て言ったのが
「私はこんな顔じゃない」
似てたか似てなかったかはまるきり不明だけど気持ちはわかる。なんか笑ってしまうエピソードだ。
あと、明治期に撮られた花魁の写真がリアル。
先月神戸市博で見た手彩色写真展に出てたかたも超美人だったが、当展の写真も負けず劣らずの美人さん揃いだった。
藝大が総力挙げて成し遂げた大吉原展。1年近く前から告知はしてあって、楽しみでもあり一抹の不安もあったのは確か。
一抹が拡大してケチもついたが、予定通りの展示が完遂できたことには拍手を送りたい。