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装飾の庭 朝香宮邸のアール・デコと庭園芸術

装飾の庭 朝香宮邸のアール・デコと庭園芸術

東京都庭園美術館|東京都

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40周年記念にふさわしい、旧朝香宮邸の全てをじっくり味わえる展覧会です。

白金台にある旧朝香宮邸、東京都庭園美術館。アールデコの建物や調度品は勿論、庭園もカフェも、落ち着いた雰囲気で、本当に気軽に立ち寄れて、とても好きな美術館です。2000年頃に近くに松岡美術館も新橋から移転開館して、共に展示も自分の好みに合い、「ぐるっとパス」や最近では高齢者割りのおかげでも、一緒に毎年数回は訪れています。
西洋の建物は、煉瓦や石やコンクリートでしっかり作られ、出入口以外の窓は、採光のためとられたものであって、或いは額入りの絵画のように戸外の景色を愛でるためのモノでもあったかもしれません。ただ、頼りない木造建築の、戸板を外せばすぐに庭と一体が如くになる日本家屋とはかなり異なり、「香炉峰の雪は御簾をあげて‥」などという感覚はない、と思って来ました。でも今展、1925年のパリ万博(アール・デコ博覧会)を中心とした、1910〜30年代のフランスにおける近代庭園を巡る動向が展示されるという『装飾の庭 朝香宮邸のアール・デコと庭園芸術』、を観ると、当時の西欧では、幾分意味合いが違うものの、建築は、建物と庭園は別の存在ではなく、庭園の延長上にある建物、建物の延長上にある庭園と、一体でこそ意味のあるものだったようです。今回、アール・デコの時代に制作された旧朝香宮邸の、建築や装飾を紐解く絵画や彫刻、工芸、版画に加え、写真や文献資料を含む約120点を通して、近代的な庭園デザインの展開とともに、東京都庭園美術館の装飾や空間の成立背景を探るという、いつもの庭園美術館でも、いつもよりもう少し詳しくしっかり邸内を鑑賞して、当時の館や、宮ご夫妻や、アンリ・ラパンの思いに、近づけるかもしれない、そんな展覧会です。邸宅内の壁面には、遠景に山々を望む森林や水を湛えた庭園の風景が描かれており、室内に居ながらにして自然の中にいるかのような装飾プランが展開されています。主要客室の装飾を手がけたフランス人装飾芸術家アンリ・ラパンによって描かれたこの一連の装飾画は、朝香宮邸のコンセプトを読み解く鍵であると共に、当時のフランスにおける庭園芸術との関連性を指摘することのできる作品でもあるそうです。それからまた、日頃は展示品のためか、カーテンが閉められていることが多い窓も、今回はカーテンが開け放たれて、屋外(庭)の様子が見え、窓の意匠も良く観ることが出来ました。屋内と庭園とのつなぎ役の様な室内庭園、同館最上部「ウィンターガーデン」も公開されています。今までも数回公開を観させて頂いたことはあったのですが、足の良くない私にはちょっときついので、そろそろ最後の観覧かもしれません。グリーンはイミテーションでしたが、本来沢山生のグリーンが置かれた温室の様なスペースだったのでしょう。天井も高く、水場もあり排水溝もありました。キャンティレバーのエンジレザーの家具が、白黒市松の床に、超おしゃれでした。
良いお天気の平日、観覧者はあまり多くなく、ガラガラで寂しい感じでもなく、ちょうどいい感じでした。思いのままにゆっくり鑑賞出来ました。春の『建築の記憶』に次いで、私にはとても嬉しい展覧会でした。
余談ですが、この日は晴天の午前、新館へのドット模様のガラス壁(三保谷硝子店製)通路には、話題の奇麗なハート型の影を見ることができました。これを見ると、ちょっといいことがあるかもしれない気分になります。
都庭園美術館の展覧会意外の情報を少し。11/8㈬と11/22㈬はフラットデーなので、オンラインチケットをご予約・購入済みの人、障害者手帳等をお持ちの人や各種割引が適用される人、無料対象の人以外は入れません。ご注意を。都庭園美術館は40周年記念ということで、いつもより多く色々なイベントがあります。既にこれまでも色々コンサートやトークイベントやワークショップなどが催されてきました。が、これからもまだまだあります。今、芝庭園にキラキラのオーナメント飾りが付けられていますが、11/19まで16:00~18:00庭園のシンボル、オオエノキとムクノキが「光宿る大樹」としてのイベントで、プロジェクションマッピングもあるとのこと(春の時のVはネットで観られます)。特に11/17-18は「ジャズとダンスの祝宴 ソワレ―光の調べ」の夜公演もあるとのことです。夕のイベントだけではないでんですね。庭園能が11/24-25に3ステージ(有料)も催されます。秋の日本庭園ではちらほら紅葉が始まっています。11/16ガーデンツアーもあります。紅葉は来月初め頃が見ごろではということでした。重要文化財の茶室「光華」が、通常立礼席まで立ち入り可能区域のところを、11月28日(火)から座敷の広間まで上がれるよう、特別公開されます。茶室内は写真撮影も可能だそうです。ただ、「広間」以外の廊下、水屋、「小間」等には立ち入りできないとのこと。また、庭から率礼席に敷居、更に座敷には段差があり、車椅子などでは上がることが出来ないのではと思われます。それからまた事前申し込みは既に締め切っていますが11月18日(土)にはこのお茶室で、「重文わかる茶会」として、基本のお茶会のレクチャーを受けられる体験会が4席があります。更に12月2日(土)には茶道家の先生による4席のお茶会もあり、こちらは今月12日までのHPで事前申し込みできます。1000円でお茶とお菓子付きのお茶会に参加できます。着物でなくても平服(ミニスカートなどの露出やアクセサリーなどは不可)で参加できるそうですよ。とても興味深いのですが、土日も正座もダメな私には、残念ながら‥です。

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