
ガウディとサグラダ・ファミリア展
東京国立近代美術館|東京都
開催期間: ~
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ガウディの魅力満載、ボリューミーなとても素敵な展覧会でした。
ガウディ―は凄いですね。もう30年程前、ツアー旅行でサグラダファミリアに行きました。他のガウディ―の建築も外観だけも含めて幾つも回りました。実物を観るまでは、なんだかひしゃげたり生き物っぽかったりの、グロテスクで気持ちの悪い意匠と思い、あまり興味がありませんでした。その感覚があの旅行で実物を観て、またいろいろな解説で、ほんの少しガウディ―の思想に触れ、一変しました。サグラダファミリアはまさに大規模工事現場でしたが、故巨匠の頭の中にあった理想の「祈りの場」を現実のものにするために、沢山の人々がこうして頑張って、ゆっくりゆっくり築いているのだと思いました。私が生きているうちには完成しないだろうと‥。でもその6年後にまた縁あって訪ねました。本当にびっくりしました。全然変わっていました。塔の数が増えただけでなく、雑然とした資材置場でしかなかった場所は、ちゃんと美しさを感じられる室内になっていて、教会らしい壮大さに圧倒されました。そうして間もなく、2010年には教皇ベネディクト16世が訪問しミサと聖別を行ったと聞き、その後経済的なことやらコロナや色々な問題で中座はしても、急ピッチで進められ、もうすぐ2026年完成を何とか実現しようとしているらしいのです。本展もきっと、そんな事業の資金稼ぎの一端を担ってもいるのだろうと、想像しました。そもそも建築そのものがやってくることは不可能なので、模型、複製、図面、写真、映像、おそらくそんなものだけでガウディとサグラダファミリアを紹介するものだろうと、大きな期待はしていませんでした。それでもCM映像やポスターなどを見ると、現物に接して感動した思い出がよみがえり、関連番組を観たり、昔買ったガウディ関連の図書を引っ張り出して読み直したりして、やはり観たい!!と、やっとのことで出かけました。内容は思った通り写真・映像や模型や図面・構想のスケッチ等といった資料でしたが、それらがとても良く出来ていて、丁寧に作られた展示で、ガウディの思想というか思いをも伝えてくれるもの、と思いました。100年以上前のその綿密な図面やスケッチ・デッサンの類は、一応建築設計を学んで短い間ながら生業にしていた者として、とても感動しました。そしてサグラダファミリア以外の建築も、またそれに付随する彫刻や家具・内装等のデザインなど、彼の様々な仕事も紹介されていて、とても良かったです。椅子好きの私は、あのベンチに座りたい!!の衝動にかられました。また現地では近くに寄って観ることのできない装飾なども、近寄ってじっくり観ることが出来ました。ところどころにNHKが撮影した高精細映像が紹介されていて、特にドローン映像による空中散歩、最後の大画面映像は、なかなかに素敵で二度見しました。ただ、学生さんたちはもう夏休み??兎に角すごい人気ぶりで、平日15時頃と割合空いている筈の時間帯でしたが、結構混雑していました。一部を除き撮影OKは嬉しかったのですが、撮影可のせいでよけいに人の流れは滞っていました。またせっかくのなかなかにいい解説文でしたが、あまり近づいてゆっくり読んでいることが出来ず、キャプション撮影も上手く出来ず、ちょっと残念でした。混雑に加えて、内容量がやや多すぎて、鑑賞にはかなりの体力が要りました。それでも総じて、とても素晴らしいまた楽しい展覧会でした。
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