開館20周年記念展 コスチュームジュエリー 美の変革者たち シャネル、スキャパレッリ、ディオール 小瀧千佐子コレクションより
パナソニック汐留美術館|東京都
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自由でイノベイティブなジュエリーたち
これまで『富を誇示するもの』だった宝石や貴金属でできたジュエリーの常識を覆し、『個性・美を表現するもの』として女性たちの支持を獲得したコスチュームジュエリーの、自由で革新的な歴史をたどる展示となっていて、大変面白かったです。
入ってすぐ、ポスタービジュアルになったポール・ポワレの『夜会用マスク〝深海〟』の壮麗な輝きに引き込まれ、まず【第一章 オートクチュールのためのコスチュームジュエリー】を鑑賞しました。ポールポワレの『壮麗な世界』から始まり、シャネルによって普及したコスチュームジュエリー。
シャネルのコスチュームジュエリーを多く手掛けたメゾン・グリポワの華やかで大胆な意匠に心奪われ、スキャパレッリの繊細で精緻なジュエリーの数々に感嘆の声を漏らし、クリスチャン・ディオールの洗練され研ぎ澄まされたデザインにどんな洋服を合わせようかと妄想がはかどって仕方ありませんでした。
スキャパレッリの『葉』、メゾン・グリポワのパート・ド・ヴェールのネックレス、リスのブローチが特に印象に残っています。
【第二章 躍進した様式美 ヨーロッパのコスチュームジュエリー】ではヨーロッパの伝統的美意識や地域の工芸の影響を感じる素晴らしい作品の数々が並んでいました。
特にコッポラ・エ・トッポの『花火』、リナ・バレッティのメタルやベルベット、ガラスやストーンでできたヘアピン、チョーカーなどが印象的でした。
【第三章 新世界のマスプロダクション アメリカのコスチュームジュエリー】では、コスチュームジュエリーがアメリカにわたり、伝統から解き放たれた新天地で素直に受け入れられより自由になり、人々に愛されたことが伝わる展示でした。
私はミリアムハスケルが大好きなのですが、模造バロックパールとメタルからなる〝ハスケル様式〟は、フランク・ヘスというデザイナーが作り出したものであることが分かり大変勉強になりました。
終始「かわいい!」「ほしい!」「綺麗!」と心の中で言い続ける大ボリュームの素晴らしい展示で、心から楽しめました。装うことのすばらしさを実感できました。
女性はもちろん、ファッションに興味を持つすべての人が楽しめるのではないかと思います。おしゃれして友人と行きましたが受付の方に褒めていただけて嬉しかった。
美術館前で流している紹介動画もわかりやすくて、アクセスも良く、良い美術館でした。