マティス展
東京都美術館|東京都
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マティスとは 俺のことかと マチス言い
マチスでいいじゃん。ゴーギャンもモジリアニも。
発音に忠実な表記?
だったらマティスじゃなくてマティースでしょ。ピカソをピカーソウ、ゴッホをゴウって呼ばせるか?しないでしょ。
誰が言い始めたのか知らんけど、わたしゃマチスで押し通します(笑)
マチス展、6月下旬に行ってきました。
平日アサイチの時間帯予約で、来てみてビックリ! 長蛇の列じゃござんせんか。
完全予約制なのにこんなに入れていいのかと思いつつ入場口に行けば人波激減。並んでたのは当日券購入者もいたみたいで、会場内は混雑はしてませんでした。
最初のフロアは初期作品で、フォービズムに至るまでの流れ。
ハマスホイかと思った女性の後ろ姿とか、点描もやるんかいといった絵とか、いろんなことをやってます。
で、フロア後半あたりから、ぼちぼちハっとする色使いが見え始めます。
《白とバラ色の頭部》での黒とピンクが最初の魔法。白はアクセントで全体的には黒とピンクが衝撃的な配色。
魔術師、いよいよ覚醒か。
上階へ上がれば、来たぁ! マチスの赤が全開だ。
たぶん最初は《赤いキュロットのオダリスク》みたいに床の絨毯の赤をクローズアップしたんだろう。
それがだんだんエスカレートして壁も天井も赤一色で塗りまくっていったのかな。
赤魔術師マチス、ここに降臨。
赤もいいけど青もいい。《夢》を見て眠ってる女性の肌色とシーツの青、まさに魔法の配色です。
マチス曰く「私は色でデッサンする」。こんなにも雄弁で説得力ある言葉はありません。
マチスが他の色彩画家と一線を画すのは、配色です。
色相学なんてのが当時あったかどうかは知らないけれど、この色とこの色を並べると視覚的にキモチよくて目に留まるってのをよくわかってます。
しかも1枚の絵で使う色はべらぼうに多いわけじゃない。それがマチスの天才たる所以なんだと思います。
余談ですが、マチスの配色を参考にしてほしいアイテムがあります。
それは競馬の勝負服。騎手が来てるあのカラフルなやつです。
使える色の数と模様は制約があるので、シンプルな中にも見て美しくあるためにはマチスの配色は大いに役立つはず。
馬主さん方、マチス先生の配色を是非一度ご覧あれ。
さて、フォービズムフロアから次のフロアへ。大病を患った後のマチスが始めたのが切り絵です。
マチス再び曰く「私はハサミでデッサンする」。
それはディテールを省略しまくって残ったエッセンスのみが切り取られ貼られたもの。
連作《ジャズ》での色とカタチの妙。見ていて本当にジャズが聞こえてくるようです。
昨秋、《ジャズ》を大原美術館有隣荘でも見たのですが、あのお屋敷の床の間に置いても輝いていました。
それほどマチスの切り絵は、どんな場所にあってもオーラを放ちます。
しかも決して大仰なもんじゃない。子どもと一緒に色紙とハサミと糊で作ったかのような楽しさも感じるから。
マチスが駆使して来た色魔術の完成形が切り絵なのでしょう。
展覧会の締めくくりは、マチスが自分に課せられた天命だと言った、南仏ヴァンスにあるロザリオ礼拝堂です。
この3月にDIC美術館で見た「芸術家たちの南仏展」でもこの教会の映像が流れてましたが、今回はより鮮明に礼拝堂内部を見ることができます。
マチスが手掛けたのは、聖母子像の円形装飾、壁の陶板画《十字架の道行》などの線画がまずあります。
制作風景写真見ると、1~2mの長い柄をつけた絵筆で描いてます。
ロバート・キャパが撮った写真が有名ですね。あれはここの絵描いてるとこだったんだ。
そして、マチス最後の色魔術がこの教会のステンドグラスです。その配色は私が最も好きな2色の組み合わせ、青と黄色です。
この2色を並べるといい感じだなあとずっと思ってきましたが、マチスもそうだったみたいで何か嬉しい。
青と黄色、サッカーブラジル代表のユニホーム、いいですねえ。
ウクライナの国旗も上が青、下が黄色の2色です。
私は勝手にウクライナ国旗の青は空、黄色はヒマワリ畑だと思ってます。「あの映画」見たら絶対そう思うよね。
ロザリオ礼拝堂ステンドグラスの青と黄色は何でしょうか。
青は下地色なので空、黄色は模様部で形からしてたぶんミモザの花でしょう。
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