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没後40年 黒田辰秋展 ―山本爲三郎コレクションより

没後40年 黒田辰秋展 ―山本爲三郎コレクションより

アサヒグループ大山崎山荘美術館|京都府

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春の大山崎山荘美術館、安定の美しさです。

1月には始まっていた展覧会ですが、
お庭のフラナガンの野兎の隣にある大きな枝垂桜が今回のお目当てでした。
が、残念ながら、この枝垂桜は完全に散り終えておりました。
山荘の重厚な建物が、四季折々いつ伺っても安定の美しさで迎え入れてくれるように感じております。
さて、黒田辰秋ですが、
民藝運動や河井寛次郎との繋がりもあり京都でもっと大々的に展覧会があっても不思議ではないのですが(特に京国近美さんあたりで)
私にとっては2017年秋の美術館「えき」KYOTOが開館して20周年記念の『京の至宝 黒田辰秋展』です。何よりもその造形美に魅了されたのでした。(かつて「冴える造形美 木漆芸家 黒田辰秋の美に迫る」としてアートブログを書きました。)
今回は、タイトルにある通りアサヒビール初代社長山本為三郎のコレクションから20代前半の重厚な家具を主にした展覧会でした。
山本為三郎社長は、1928年御大礼記念国産振興東京博覧会のパビリオン『民藝館』を建物と什器を買い取り、博覧会終了後に大阪・三国の自邸に移築させ、実際に使われていたものです。黒田は欅拭漆のテーブルセットや家具什器を制作したのでした。当時関東大震災後の混乱を逃れて柳宗悦が京都に住んでおり、河井寛次郎や陶工楠部彌弌との出会いや「上加茂民藝協団」を結成と、人との出会いや時代の勢いをも感じます。「民藝」も柳宗悦という人物の存在と山本為三郎のようなそれを支える太っ腹なお金持ちがいてこそと思ってしまうのです。
展示作品でこんなものまでと思ったのが「マッチ入」、
たくさん展示されていて目にとまったのが「灯火器」、「灯り」ということからイサムノグチも思い出したりしました。
今回黒田のその後の作品は佐川美術館蔵のものが展示されておりました。
しかし、黒田の朱漆や黒漆、螺鈿の技と造形はもっと凄いのよ!

京都の老舗が支えた黒田辰秋で、
なーんと言いましても、皆さんご存じの今も現役の祇園の老舗菓子舗「鍵善良房」店内の大飾棚や螺鈿のくずきり用の器や朱塗りの飾り板も拝見できるかと思います。京都のベーカリーショップ「進々堂」の創始者 続木斉の注文による京大北門前喫茶店のテーブルセット(こちらは京大生がお勉強されているカフェですので写真撮影などは決してなさいませんように!)
おついでにいつ訪れても落ち着く「河井寛次郎記念館」へも是非是非伺ってみてください。

京国近美さんか、京セラさん、文博さんあたりが大々的に黒田辰秋展を開催して頂きたいと願っています。

眺望が素晴らしい2階のカフェですが、みなさんテラスでとの方ばかりで、順番を待っていらっしゃいました。
コラボスィーツはお昼には早々に売り切れでした。

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