佐藤健寿展 奇界/世界
西宮市大谷記念美術館|兵庫県
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事実は小説よりも奇なり
ベタなタイトルで恐縮だが、この展覧会を言い表すには最も的確なフレーズだ。
この世にはいろんなとこがあるもんだ。
この展覧会見てつくづくそう思った。
佐藤健寿氏もその作品も私は全く知らず、展覧会の告知写真のマンモス見て、面白そうだから行ってみようと思ったわけだ。
最初はそのマンモスが疾走する写真も合成かと思い、佐藤氏もパロディ写真家と思ってたほどだ。
まずは、無知と不見識を心よりお詫び申し上げます。
当展覧会は、世界各地の奇習や奇祭、奇観や廃墟、珍百景的光景、異様な集団行動といったものを氏が実際に現地に行って撮影した写真展である。
秋田のなまはげや長崎の軍艦島のようなよく見聞きしているものから、米国のロズウェルやエリア51のような話には聞いてるが実際はどんなの?といった場所、あるいは今まさに世界中が注目しているチェルノブイリのロシア侵攻前の写真等々が、次から次へと現れる。
そこには日々の住民の文化と生活に根差したヒューマンなものから、国家や権力による狂気の産物とその成れの果てまでありとあらゆる奇界がある。
極東の平和な島国で暮らす我々の想像も及ばない現実を目にし何を思うか。
それは人それぞれだろう。
しかしどの奇界もすべて我々人類が産んだものだ。
狂気と正気は表裏一体。
その一線を越えるか越えないか、はたまた行ったり来たりか、人間は常に奇界と隣り合わせということを、当展では思い知らされる。
佐藤健寿氏は、我々の代理人としてその証言者になるべく、決死隊長を買って出てくださった。
この写真展を見逃してはならない。
巡回は西宮、高知、館林。奇界の出現地への旅支度を。
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