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イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜 モネ 、ルノワール、ゴッホ、ゴーガン

イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜 モネ 、ルノワール、ゴッホ、ゴーガン

あべのハルカス美術館|大阪府

開催期間:

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レッサーユリィはどうして人気なのか。

大阪へ巡回前から盛り上がっていたレッサーユリィの《夜のポツダム広場》。
レッサーユリィ聞いたことがない画家です。
本展の出品作の8割が日本初公開の上に、日本人が大好きなモネやゴッホやルノアールを含む印象派の作品が主作品となった展覧会です。それだけでも人が呼べるはずが、蓋を開けてみればSNSにはレッサーユリィが飛び交い、撮影OKとなった《夜のポツダム広場》が印象派のビックネームを押しのけてダントツ1位!
何故なんだろう???
コロナ禍の開催もあって、スペースを取った展示を考えると主催者としても作品数は自ずと制限されてきます。
イスラエル側からの出品リストに当初からあったレッサーユリィ、印象派のビッグネームと並んでは日本ではほぼ知られていないレッサーユリィを外そうとしたこともあったそうですが、最終的にイスラエル博物館からは更に1点加えての4点のレッサーユリィ作品の展示となりました。
その実情はイスラエル側からは詳しく説明はなかったそうですが、レッサーユリィがユダヤ系であったことや《夜のポツダム広場》が辿った数奇な運命が背景にありそうです。
そんな事情を私たちは知る由もなく作品の前に立っても《夜のポツダム広場》は、他の作品とは全然違った印象でした。
印象派の風景画は、戸外で光の移ろいを写し取りながら描かれている、南ヨーロッパの乾いた空気の中で、パキッとした色彩、明るい昼の郊外や田園風景、短いストロークで塗り重ねた筆触分割の作品が圧倒的に多い。
ところが《夜のポツダム広場》は、雨の降る夜の街の風景が描かれ、筆致も筆触も違っています。
最初に思い浮かんだのはホイッスラーの夜を描いた作品に似ているような気がしました。
夜を描いた作品で思い浮かぶのがゴッホの《星降る夜》、
雨の街の風景を描いた作品なら個人的に大好きなカイユボットの《パリの通り、雨》、この作品は昼の風景です。
冷たい雨降る夜に傘をさした人物を右に描き、左には窓からの光が濡れた路面に眩いばかりに反射しています。ラフな筆致で描かれています。
湿り気のある雨の夜の風景は抒情的である種の寂寥感も漂います。
コロナ禍の現状を重ねる意見もあるが、そうでなかったとしても印象派の風景画の中に置かれればレッサーユリィ《夜のポツダム広場》は際立って印象に残る作品だったのではないでしょうか。
絵葉書は残念ながらその日はすでに品切れとなっておりました。
《夜のポツダム広場》もさることながら、ゴーガン《ウパウパ(炎の踊り)》、ゴッホの《麦畑のポピー》、モネ《ジヴェルニーの娘たち、陽光を浴びて》も印象に残りました。
メインヴィジュアルになっているモネ《睡蓮の池》、チラシとはちょっと違ってるとも感じましたが、写真を撮ることに気がとられて、近くで見すぎたかも。
少し離れて全体をもっとよく観るんだったと後悔しきり。
初めて知った画家”レッサーユリィ”もっとたくさん作品が観てみたい。

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niko3さん、Audreyさん

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