幻の天才画家 鈴木華邨展 ―甦る花鳥風月の世界―
逸翁美術館|大阪府
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花鳥画家 “鈴木華邨”は忘れ去られていたのか?
"鈴木華邨"をご存じだったでしょうか。
明治から大正にかけて活躍した”鈴木華邨”、その作風は「優美で繊細、そして巧緻な写実性、四季感を生かした瀟洒な画風」が特徴。
花鳥画だなぁと思いながら展示室を回っていると、小鳥が重なって描かれている作品に目が留まりました。
テレビで見た渡辺省亭の作品と似ているような気がしました。
赤坂迎賓館の濤川惣助『七宝花鳥図三十額』の原画を描いたことでも知られる渡辺省亭は、最近巡回展も開催され、その描写に驚き、注目されている画家です。
ミュージアムショップにも渡辺省亭の本が売ってありました。で、ちょっと調べてみると、渡辺省亭と鈴木華邨は同じ時代を生きており、菊池容斎に師事し、起立工商会社で図案を描き、省亭は1878年の、華邨は1900年のパリ万博に出品して、ともに受賞しています。
渡辺省亭と鈴木華邨は、面識はなかったのでしょうか。どこかで出会っていても不思議ではないが。晩年は、展覧会(公募展)から遠ざかり、世間から注目されることのない画家となっていました。渡辺省亭の作品は、省亭がパリ万博の時にパリに派遣され、そのまま滞在し、また印象派との交流もあってか、海外の美術館・博物館にも所蔵されています。鈴木華邨の教え子に小原古邨いたことも興味深い。
逸翁さんが、鈴木華邨の作品が気に入り、美術館にはその多くが所蔵されています。
本展は、コロナ禍のために開催が1年延期され、その間に見つかった新たな資料も展示されています。
世間からは忘れ去られたような画家について、資料と共にその画業も掘り起こし展覧会が開催される、美術館の役割についても考えさせられた。
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- BY morinousagisan