聖徳太子1400年遠忌記念 特別展「聖徳太子と法隆寺」
奈良国立博物館|奈良県
開催期間: ~
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同窓会の趣
崇める信仰の対象になった聖徳太子を拝見しに行く気持ちだったが、博物館を出て最初に思ったことは元々は法隆寺所蔵の品々の【同窓会】だなと感じたこと。
仏教はいつの時代も力を持ち政治の中枢にいてついには明治政府の廃仏毀釈によって結構なしっぺ返しも日本の歴史。
今回の展示のテーマとは逸れるのでしょうが政治と宗教の関わり方について考える機会となりました。
ともあれあれだけの重要な文化財を法隆寺のみで管理することも現実的でもなく文化財の管理とゆうことだけを思えば明治政府の過ちや仏教側の怠慢も文化財保護だけの観点だけを思えば結果的にはよい方向に転んだと思います。
今回の展示は、全部で5つのパートで構成されていました。
第一章 聖徳太子と仏法興隆
おおよそ人が想像する聖徳太子の人物像を来訪者で共有する場でした。
さまざまな展示物がありスペースも限られた中で致し方ないのですが、どこかで一度は見た唐本御影(とうほんみえい)はもっとスペースをとっても良かったのかもしれません。
第二章 法隆寺の創建
全体を通して一番地味かもしれませんが、個人的にじわじわと効いてきたのが鵲尾形柄香炉(じゃくびがたこうろ)という手に持つ香木をたく道具です。簡素で面白みのないモノですがニ章で拝見して以降、度々出てきます。仏像が手にしていたり絵の中の人物が手にしていたりと「あ、またこれ持ってるやん」と現代では手にする機会がない文化的な道具に興味が湧きました。
また京セラで催し中の古代エジプト展でも手持ち香炉が登場し、歴史も場所も違う場所での文化的なつながりを感じることになりました。
第三章 法隆寺東院とその宝物
展示物が一番少ない?
セクションです。
ここでのメインは、行信僧都坐像
(ぎょうしんそうずざぞう)
になるのでしょうが私には、亡くなった桂枝雀さんを思い起こす機会となりました。
信仰の対象として仏像はあるのでしょうが、誰かに似てると故人を偲ぶことも仏のお導きだと思いYouTubeで久しぶりに落語を拝聴しました。
第四章 聖徳太子と仏の姿
太子様のオンパレード!
威厳のある太子様やデフォルメされた太子様、日常を切り取った太子様などさまざまな太子像を見ることができます。
一番印象に残っているのは、聖徳太子を盛り立てる従者(兄弟)と太子様とのギャップです。
太子様は、やはり主役らしくイケメンで威厳を讃えた造形ですが、従者はどこかコミカルで親しみやすく、漫画的な造形は博物館というかしこまった空気のなかで気の抜ける場所になりました。
また、前を行く人が「フットボールアワーの岩◯さんとそっくり」と耳打ちしてるのが聞こえた時は胃が捻り切れそうになり大変でした。
またこのセクションでは香炉を手にした像もありますのでぜひ見ていただきたいです。
第五章 法隆寺金堂と五重塔
予備知識があるともっと興味深く見てしまう文化財としては、玉虫厨子(たまむしのずし)になるかと思います。権力や信仰って凄いモノを造るなぁと感嘆するばかりです。
覗いた木片の隙間から見える玉虫の羽部分に気づいてから完成まもなかった当時を想像するとどれほどブリリアンスなモノだったのか興味がつきませんでした。
仏像ファンや私のような少し興味がある人も四天王像は好きな方多いのではないのでしょうか。
今回、多聞天と広目天が距離をとってお互いが向き合う形で配置されています。
コロナ禍の昨今、意味のない行動でしょうが向き合った像の真ん中に立ち疫病退散を祈願しました。
本来なら薬師如来が請け負うところだと思うのですが、何か世の中に対して鬱屈した気持ちがある時は、造形物として見た時に優しいものより力強いモノにすがりたくなるのかなと感じました。
全体としての感想は、聖徳太子に想いをは馳せる目的でしたが、どちらかと言うと改めて法隆寺の凄さを再確認する機会となりました。
またこれほど多くの仏像が湿度の高い日本で維持管理をされていることに関係者の方々に尊敬の念が絶えません。
最近では、残念なことに仏像泥棒や破壊する輩がいる事実に危機感を抱きます。
本来、催し物の感想でこのようなことに触れるのは趣旨違いかもしれませんが仏教の教えが下地にありそのようなことを想起させるのかもしれません。