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がまくんとかえるくん誕生50周年記念「アーノルド・ローベル」展

がまくんとかえるくん誕生50周年記念「アーノルド・ローベル」展

PLAY! MUSEUM|東京都

開催期間:

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図録は読み応えがあるのだけれど……

アーノルド・ローベルの日本での大きな展示は初めてなので、期待して見に行った。大学で制作した絵本の試作本「Petrouchka」の展示から始まり、「いろいろへんないろのはじまり」の書き分け版の原画など、貴重なものが見られてよかった。
ただ、全体的には、原画よりもラフが多く、特に後半「がまくんとかえるくん」シリーズの編集者とのやり取りを展示したところなど、もう少しわかりやすくしなくては、混乱するのではないかと思った。最初のラフ(比較的しっかり描かれている)に編集者のコメント→2回目のラフ(ざっくり変更点が分かるように書かれている)の展示では、結局どうなったんだっけ?とモヤモヤする。該当ページの決定稿を本のカラーコピーで良いのでそこに入れ込んで、最終的にどのような判断がなされたかがわかるようにしないと中途半端な理解になってしまうのではないか。
また、60年代、70年代のアメリカ絵本の黄金期の様子をもう少し解説に入れて、その中でのアーノルドの立ち位置や彼のイラストの変遷に時代の好みがかなり影響していることなども指摘して欲しかった。
他にも、もう少し踏み込んで解説しても良いのではないか、と思うところが多々あったが、この美術館がターゲットとする人たちへの配慮かもしれないなと感じた。
図録では、アーノルドの娘と息子へのインタビュー、訳者である三木卓さんへのインタビューがあり、どちらも読み応えがある。ここで書かれていることが伝わらないと、アーノルドの作品については浅い読みしかできないだろう。ぜひ、図録を読まれることをお勧めする。
同時開催の、常設展「エリック・カール 遊ぶための本」は空間デザインや構成などの見せ方がとてもよかった。カールの制作する動画、人生を振り返る動画もコンパクトであるが本質的なところがうまく伝わるようになっており、小さいながらも充実した展示だと感じた。
エリック・カール美術館では、これまでたくさんの絵本作家の展示がなされており、その中の一つが今回のローベル展として、日本での開催につながっている。他の展示もぜひ、日本で開催されるよう企画を望みたい。

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