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電線絵画展 -小林清親から山口晃まで

電線絵画展 -小林清親から山口晃まで

練馬区立美術館|東京都

開催期間:

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「電線音頭」歌えます

「電線絵画展」行ってきた。

時代とアートの移り変わりが両方楽しめた。

日本の電線絵画の第1号は江戸時代。
あのペリー提督が、お土産に電信機を持ってきたようすが描かれている。

最初は電信から始まった。

明治になると電気も登場し、電線と電柱は時代の最先端に。浮世絵で歌川派は華やかに、小林清親は情緒豊かに表現している。

「新版画」と呼ばれる川瀬巴水と吉田博の対比も面白い。美意識の違いか、隅田川の風景に、川瀬は電柱を描き、吉田は描かない。

洋画は、五姓田義松、高橋由一、岸田劉生、松本竣介など。

パリの風景画で知られる佐伯祐三も、電柱多めの東京の下落合を描いている。

‘’ミスター電線風景‘’ と呼ばれた画家もあらわれる。

朝井閑右衛門は、昭和25年頃、電線画を集中して描いた。ルオーの絵のように厚塗りで、黒く太く描かれた電線が、空を覆いかくしている。こんな電線なら、即、地中化をお願いしたいが…

ところで、電線はほんとうに美しくないのか?

山口晃の漫画『趣都(しゅと)』「電柱でござる!」が原画の展示のほかに、漫画のコピーが置いてあったので読んでみた。

山口は、電線を見る方向や撮影方法で、より電線が密集している印象を与えられると言う。

「電線が醜い」は作られたイメージだったのか?

これだけ電線画の優品を見せられると、地中化って必要?と思った。が、歩道に出っ張る電柱や、災害時に地震や台風で垂れ下がった電線は怖い。

電線の地中化は、美醜で語ってる場合じゃないのかも。

展示は続く。

オブジェのような有田焼の碍子(がいし)に、かこさとしの絵本「でんとうがつくまで」に、懐かしい「電線音頭」のレコードジャケットまで。

「電線」にかかわるもの全部、ひとつも取りこぼさない!っていう展覧会だった。

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