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つくるよろこび 生きるためのDIY

つくるよろこび 生きるためのDIY

東京都美術館|東京都

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何かを作り出せるチカラ、それを自分で認められることは大切だと改めて

正直、この手の展覧会は近年避けていた。
何かをつくりだせるチカラは必要だと常に思っている。
けれども、出来上がったものと共に暮らすことに思うところがある。

幼少期は自称芸術家の両親の元、既成のおもちゃをあまり買ってもらえず、周りにあるもので自分で何かしらを作っていた。その甲斐あって、何か壊れたら簡単なものなら自分で直すことができ、大人になってからも息子のベビー服を何着か手作りした。
どのような構造でできているのか観察し、他のもので代用できるかなど考えるチカラを身につけられたのではとと今なら思う。
進路は美術系を選んだ。就職に難航した際には、つくったものを渋谷のギャラリーで売って生計を立てていた。
不安定な生活を脱するため、企業に就職し、デザイナーをするようになった。
デザインはクライアントありきで課題に対する答えを提案するもの、アートとは異なる。
ものづくりに携わるものとしてのその壁にもモヤモヤしなかったとはいえないけれど、
一番心につかえていたことは、こんなにものが氾濫する世の中で、新たにつくって、不要になったら捨てて、の仕組みについて。
特にイベントの仕事は、時間をかけてつくったものが終わった途端に破壊される。何度も切なくなった。

ものづくりに携わりながら、私生活では流行り出したミニマリストに乗って、ものを持たない生活をするようにもなった。
選りすぐったものを大切にし、ものが少ないことで物理的にも精神的にも余白ができた。
「ものをつくらないものづくり」なんて抽象的なことを漠と考えるようになっていた。

息子が生まれ、自分が幼い頃のように、自分でなんでもつくれるようになって欲しいと思う反面、
ミニマルな生活を心がけているものとしては、息子がつくったものが暮らしの中にあることが負担でもあり、
大袈裟だけど、葛藤する日々だった。
今思うと、なんでもつくれる、ではなく、なんでも ”考えて” つくれることを求めていたのに、
その時は出来上がったものの方に焦点が向いていて ”考えて” の方を軽視していた。

現代アートに触れると、いろんな感情が押し寄せてきて、それに押しつぶされそうになることがあり、
段々と足が遠のき、古いものの展覧会へ行くことが多くなっていた。


この展示会場である東京都美術館は、2012年のリニューアル後から、すべての人に開かれた「アートへの入口」を目指し、アート・コミュニケーション事業を行っている。
ものづくりに携わるものとして、この取り組みに注目している。
今回の展覧会はチェックしていたものの、どうしようか迷っていたところ
「ミュージアムで謎解きを ミュージアムラリー2025」の対象展覧会であることがわかった。
ならば、行ってこよう。


全体として
やってみよう → やってみる → 「これでよし」
と、創作を通じて、自分で自分を認められるチカラが感じられた。
ものをつくっていると本当にこれでいいのか何度も迷う。正解を求めてしまう。
正解とか他者からの評価とかではなく DIY(Do It Yourself = 自分でやってみる)から得られる
「これでよし」自分で自分を認められることの大切さを感じた。

ここからは作品の感想を→
若木くるみさんの、鳩サブレやキャンベルスープなどみたことのある商品パッケージや、調理器具など身近にあるプロダクトを用いた作品は、コラージュの楽しさや新たな視点の発見になる。
様々な料理の並ぶ《さいごの版さん》は、ブランクーシの彫刻《接吻》のようにふたつの顔がひとつにくっついているのだけれど、ブランクーシと違ってふたつの顔に対してカラダはひとつだから、これは自分自身ということかな?
ひとりの食卓でも、こんなにカラフルで美味しそうな食卓なら心がはずむ。
孤食が社会課題とされていることを考えると、食事は自分のカラダを楽しませるDIYとして捉える視点は面白いし、
展示してあったテーブルと椅子の食卓キットが普及したら、食べることの楽しさや喜びを促すきっかけになると感じた。


野口健吾さんの「庵の人々」は以前別の会場でみたときとはまた違う感情が湧いてきた。
庵の人々=ホームレスは、色々な背景があるわけで、野口さんのスタンスのように一線を超えないフラットな立場、フラットな視点でありたいと私も思っている。そう思っていながらも、豊かさ を感じられた。
きれいに洗われた絵筆や切り抜かれた絵画は、自分の喜ばせかたを知っている証。
我慢こそ美徳と育てられた私は、自分を喜ばせることに臆病なところがある。
野口さんの写真をみた時、少しずつ克服している今に触れるものがあった。


他にも様々な視点の作品があり、これはこういうことかなと思考をめぐらせることも楽しかった。

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morinousagisanさん

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