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没後80年 小原古邨 ―鳥たちの楽園

没後80年 小原古邨 ―鳥たちの楽園

太田記念美術館|東京都

開催期間:

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抒情的で水彩画の様な美しい浮世絵花鳥画 とことこ味わえます

小原古邨の没後80年回顧展、行って来ました。
古邨は浮世絵と新版画のはざま期に出た絵師で、西洋の技術が流入する江戸末期からの、伝統の木版画浮世絵は危機的状況の中、生き残りをかけた絵師・彫師・摺師たちの努力により、より洗練された技巧的な作品が生み出されるようになりましたが、そのシステムを使って高度な作品を生み出す絵師の中に、小原古邨は居たようです。やがて「新版画」のジャンルを築いた渡邊庄三郎のもとで「祥邨」として活躍するようになりました。花鳥画や動物画を得意とし、優雅で繊細な作品を多く製作しました。特に鳥のいる作品が凄いです。何故か国内ではあまり評価されず、海外での方が名が知れ、高く評価されている人です。版画芸術No.181にも
今展、前後期完全展示替えで、とにかく見手も見ごたえもあります。今展では2019年の『太田』さんの「小原古邨展」では展示されなかった、つまり初出品の作品がかなり多くあるとのことで、前後期ともに楽しみにしていました。訪館は休日午前でしたが、たまたまなのでしょうが、いつもはとても多くいらっしゃる海外からの観覧者さんが、ほとんどいらっしゃらなかったせいでしょうか、意外にも割合空いていました。展示されている作品は緻密かつ優美で、静謐な美しさにあふれています。木版画というより水彩画を見ているようです。細かく見ると実際の鳥とは少し違ったところもあり、解剖学的なおかしいなどと評されたりもしたそうなのですが、それよりも枝にとまる佇まい、雰囲気を重要視したのではないかと思われますよね。浮世絵の「花鳥画」は「風景画」と同様に葛飾北斎と歌川広重がジャンルとして発展・定着させたものですが、北斎の作品は博物学的により正確で「理系的」といわれていて、風情や情緒を重視する広重は「文系的」と言われているそうです。それでいうならば、古邨の作品は、“広重的” (広重一門と直接の関係はないのですが)といえるのでしょうね。雨の中に佇む《雨中雀》とか《雪松に鷹と温め鳥》《桜に烏》《猿と蜂》《蓮に雀》などみな、古邨の対象へのひたむきな愛が感じられ、対象も今にも何か語り出しそうな、声が聞こえて来そうな、そんな作品が沢山です。また、雨の表現の見事さは、技術の進歩の賜物かもしれません。最後「江戸・明治の花鳥画」コーナーでは北斎・広重・英泉らの作品も見ることが出来ましたが、古邨は紛れもなく江戸浮世絵花鳥画の流れの中にいる絵師だと、再確認させられました。
私も後期は明日を予定しています。まだ行かれていない方、会期の残りが少なくなりました。個人蔵のものが多いのでこれほどの作品が揃う機会は宋はないはずです。ぜひ見て、お気に入りの一枚を探してみてください。

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