開館30周年記念 日常のコレオ
東京都現代美術館|東京都
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正に今を生きるアート。
久しぶりに東京都現代美術館に行こうと思い立ったのですが開催中の企画展に見ながら「コレオ?なんの展示?」と思いながら、調べると「裏万博」と呼ばれるような展示であると知り、俄然興味が湧きチケット購入。
噂に違わず、今を生きるアーティストたちによる各国の悲痛な叫び・リアルタイムの問題提起を題材とした作品があり、どれも強く声高に訴えるというのよりは、貧富や性差や文化、植民地問題など「いつしか仕方ないと思って、見過ごし受け入れてきた問題と向き合い、低体温ながら俯瞰的に静かに力強く提起する」と言ったニュアンスを感じます。各々の国が我が国の魅力的な面や、未来への展望を謳う万博と同時期に行われていたと考えるとなかなか凄い話です(万博も面白かったですが)。
個人的に気になった作品は
・シルパ・グプタ氏の「リスニング・エア」は真っ暗な部屋に動く照明とスピーカーが吊り下がり、様々な国のプロテストソングが流れるインスタレーションになっており異質な空間づくりで強烈なインパクトを残す。
・アートスタジオCAMPによる「ボンベイは傾く」、監視カメラから撮影した街の映像が複数のスクリーンに投影されるシンプルなつくりながら残酷なまでのインドの格差社会を痛烈に映し出している。
・ジョナタス・デ・アンドラーデ「導かれたゲーム」は、ブラジルの北部の村では聾者が多いにも関わらず公用手話が普及しておらず、地元住民のみで独自の手話を発展させ、ゲームを通じてコミュニケーションを築いている様子を伝えるドキュメンタリー映像作品。過酷な状況ながらポップに明るく描かれている。
・架空の音楽レーベルとユニットを演じ、性や人種の多様性を訴えるプロジェクト「FAMEME」。MVの撮影場所に東京都現代美術館が協力されており、特別なロケーションで観覧できる。
などなど正に現代アートらしい新しい切り口や手法で、今なお続く問題を鮮度高く扱っており、正に現代を生きるアートを体験できます。ただ面白いでは片づけられない、心に何か重くのしかかるものを持ち帰ってしまう。そんな大変素晴らしい展示でした。
ただ少し苦言になりますが、現代アート展にありがちな気取った解りづらさが鼻につくところがあります。展示名が解りづらくポスターなどにも明確な説明がなかったり、作品情報がわざわざ順路と逆のところにあったり…。演出上わざと小難しく高尚な印象にするのはアリかもしれないけれど、この展示コンセプトを考慮すると作品のメッセージをもっと多くの人に拓けるよう親切であるべきであって、敷居を上げるのは無駄で意味がないかなと。
東京都の日曜にも関わらず人はまばらでした。私は参加しなかったのですがワークショップや体験型イベントなどなど、色んな催しも行われているようですし、残り1週間ぐらいの展示のようなので会期中に是非見て欲しいなと思います。
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