若冲と江戸絵画
細見美術館|京都府
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尾羽根のファン
再訪。若冲の水墨画、墨だけで描かれた絵画なのだが、キャプションによると様々なテクニックが用いられていた。
特に鶏の尾羽根。鶏の胸の毛と尾羽根は濃い黒で描かれていて、写真に撮ると違いはわからないのだが、実際に見比べてみると違う。胸の毛にはカスレが見られるが、尾羽根はグッと力を入れて描いたものか、たっぷりと墨を含んだ筆でスッと伸びやかに描いたものかはわからないが、カスレなく一息で描かれていた。そういった立派に跳ね上がる尾羽根や踏ん張った脚から、鶏の堂々とした印象を感じたのだとわかった。若冲は実際に鶏を飼って観察していたらしい。その中で若冲は、鶏の気高い一面を捉え、絵にしてくれたんだと思う。若冲が描く鶏の尾羽根のファンになった。
また、「花鳥図押絵貼屏風」は、鶏だけでなく、様々な植物や生き物が描かれていて、かくれんぼみたいで面白い。中でもカワセミの絵が、ピュッと飛んでいる感じが出ていてよかった。
技術的な方面だと、輪郭をかすれさせて毛の柔らかさを表現した「仔犬に箒図」、カスレで里芋の皮の感じを出した「里芋図」、地を塗った「風竹図」と、塗らないことで明るさを表現した「踏歌図」など、一見墨一色のシンプルな絵画なのに、筆圧、塗り方などによって様々な表現ができるのだとわかった。
そして、「瓢箪・牡丹図」の瓢箪、「虻に双鶏図」の背中を向けた鶏などの丸い形も、何気なく一筆描きで描かれているように見えて、若冲にしか描けない丸みなんじゃないかと思った。
若冲の技術の深奥を感じた展覧会だった。
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