コレクション2 Undo, Redo わたしは解く、やり直す
国立国際美術館|大阪府
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糸と傷の訴求
大阪駅でバスを待つより歩いた方が早く着きそうだったので出発したところ、思いっきり反対側(梅田CLUB QUATTRO側)へ歩き出してしまい、結局引き返して大阪駅からバスに乗って行った。中之島方面にはもう5回くらい行っているのに信じられない。
「ノー・バウンダリーズ」の映像作品目当てで再訪したが、その鑑賞中もこっちの展示の方が気になってしまい、何か妙な吸引力のある展覧会だった。
竹村京の「修復」作品。陶製のボウルや電球などにオーガンジーのような生地がくるんであり、欠けたところに刺繍が入っている。傷んでも放置されるもの、捨てられるものを掬い上げて、布と糸という方途で修復しているのがよかった。私も修復してもらいたい。私自身もそうだし、私を取り囲む人々、ものたちも、目まぐるしく過ぎていく日々の中で、気づかないうちに深く傷み傷ついているのかもしれない。それこそ工藤哲巳「二つの軸とコミュニケーション」の、糸がぐちゃぐちゃに巻き付けられた紡錘のように。
石内都「Scars」。人々の傷痕を写真で記録した作品。最初は何でそんなことをするのだろうと思っていたが、よく考えると傷痕ってその人のアイデンティティなんだと気づく。身元不明の遺体も、その傷痕で本人を特定できたりする。このように考えると、今回の展覧会に妙な訴求力を感じたのは、私たちが気づかないうちに負っている傷、生きていくうえで負うことを避けられない傷や、それを繕いたいという思いによるのかなと思った。
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