鑑賞レポート一覧

上村松園と美人画の軌跡

上村松園と美人画の軌跡

福田美術館|京都府

開催期間:

  • VIEW199
  • THANKS2

上村松園のトリミング

 上村松園のトリミング技術に驚いた。「雨を聴く」(これは嵯峨嵐山文華館に展示されていた)なのに雨が一切描かれていない。「美人観月」なのに月が描かれていない。女性の表情や視線で、雨が降っている、月が出ていることを表現している。その結果、画面がすっきりして女性をピンポイントで鑑賞することができる。

 前回見たときより息苦しく感じなかった。おなかべこべこで鑑賞したからだろうか?
 鏑木清方の紫や黒、伊東深水「狐火」のとろとろの白が本当に美しかった。この時代の美人画だと柔らかい表情をしているが、浮世絵の美人画もだいぶ表情が柔らかく見えるようになった。

 今回の浮世絵は、この前芦屋で見た版画と違って肉筆画の展示だった。そして、女性の歯がはっきり描かれていた版画に対して、肉筆画では女性の歯が描かれていない、もしくは控えめだった(近代の美人画も歯を見せていない)。浮世絵には肉筆画と版画の2種類がある。版画は大量生産で庶民が購入するもので、肉筆画は一点もので富裕層が購入していたらしい。歯の描写の違いは、版画だと肉筆画に比べて歯がはっきり彫られるため目立つのか、それとも富裕層と庶民の女性の好みの違いが影響しているのか、どうなんだろうと思った。

 甲斐庄楠音(かいのしょうただおと)目当てだった。「娘道成寺」、キャプションには「清姫の表情だけをクローズアップして、恋に狂ってその身を破滅させた女性の業の強さを強調」しているとあったが、よくわからなかった。そんなに恋に狂ったような表情には見えなくて、ふとした瞬間の素の表情を描いたように見えたのだが、近代の美人画には珍しく歯が描いてある。歯が気になって、何か引っかかるような、単純にあどけない表情を描いているのではないような感じがした。

THANKS!をクリックしたユーザー
ぷーながさん、karachanさん

鑑賞レポート一覧に戻る

こちらの機能は、会員登録(無料)後にご利用いただけます。

会員登録はこちらから
SIGN UP
ログインはこちらから
SIGN IN

※あなたの美術館鑑賞をアートアジェンダがサポートいたします。
詳しくはこちら

CLOSE

こちらの機能は、会員登録(無料)後にご利用いただけます。

会員登録はこちらから
SIGN UP
ログインはこちらから
SIGN IN

ログインせずに「いいね(THANKS!)」する場合は こちら

CLOSE


がマイページにクリップされました

CLOSE マイページクリップ一覧を見る


がお気に入りに登録されました

CLOSE マイページお気に入り一覧を見る


を訪問済みに移動しました

CLOSE マイページ訪問済みイベントを見る

CLOSE

name

参考になりました!をクリックしたユーザー 一覧
CLOSE