六本木クロッシング2025展:時間は過ぎ去る わたしたちは永遠
森美術館|東京都
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強度高い表現の集い、賑やかなお祭り
見終えての第一声。いやあ、面白かった。
ひとつひとつ強度のある作品が集まっていて、賑やかなお祭りのよう。
森美術館では、最初の大部屋と、一面ガラス窓の部屋が好きです。
最近では、大部屋なら建築模型で埋め尽くされた藤本壮介展で展示、ガラス部屋なら、ルイーズ・ブルジョア展での空中で反り返るブロンズ彫刻展示、など。今回も白眉でした。
まず、最初の大部屋。庄司朝美の大小の絵画、沖潤子の刺繍、ケリー・アカシの繊細な彫刻、桑田卓郎のカラフル巨大陶器、廣直高の立像。俯瞰していると溜息が出るほど、壮観な五重奏です。
ガラス部屋。和田礼治郎氏による、二枚のガラス板の間に半分ブランデーを挟んだ作品。大窓の外に広がる夜景を背に、洗練された演出です。
現代アート作家のオムニバス形式なので、見ていて、合う合わないの好みは当然あります。今回は、記憶に留めておきたい作家が多い。
・A.A.Murakami。白い木の枝先からシャボン玉が生まれては消えてゆく、生命感と儚さ。流石のメインビジュアル作品。
・ズガ・コーサクとクリ・エイト。段ボールで造作した六本木の街並みは、文化祭風でいて妙にリアル。名前からしてパロディ。もっともっと見てみたい。
・北澤潤。インドネシア在住、日本軍の隼戦闘機を形どり、インドネシア・アートを纏った巨大な凧。これを各地で実際に空に飛ばしているらしい。
・荒木悠。牡蠣殻の表面を全方向から見る映像作品。最初は小さく始まり、次第にどアップへと拡大してゆく。西洋美術のヴァニタス(虚栄)に通底。
現代アートの強度高い表現は、往々にして、作家が関わる個々の特殊な事情・事象がテーマになる。個々の事象を、単なる個人的な体験・思考・記録に留まることなく、表現として解き放つとき、見る者は立ち止まるようになると思います。本展では、この〇〇スペシフィックを解放し、超えてゆく表現に多数出会えたことが嬉しかった。鑑賞満足感の源です。
個性溢れる作品の全体に「時間」の軸を差す企画構成には、納得しつつも後付け感の印象が拭えず。
今まさに、勢いある人たちが集まると、やはり展覧会の出来も違う。そう、実感しました。
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