3.0
若き印象の感性に触れる
京都に旅行した際に初めて訪問しました。
堂本印象の絵は、東福寺本堂天井の雲龍図、智積院の「婦女喫茶」の襖絵を観たことがありますが、その画風の幅広さには驚かされます。伝統的な日本画、帯の図案からモダンな現代アート、妖艶な婦人画、抽象画、木彫り人形まで、マルチに何でもこなす器用さがあります。
本展は、20歳代の若き印象が活き活きと描いた大正ロマンの女性像にスポットライトを当てたものです。画家として評価される以前のもの。こんな絵も描いていたんだ、と思わせる作品ばかり。若い印象が初めて見るものに驚き、女性の妖艶さに触れた感性が伝わってきます。
新しいものを次々に吸収していった印象が、次にどんな作品を描いていったのかもっと観てみたいと思わせる展覧会です。