5.0
写真表現の幅広さと京都のギャラリーの奥の深さを体験
写真表現の幅広さを、あらためて実感できる展示でした。被写体はいろいろだし、分野も人物、自然、ファッション、音楽シーンなどのストレートなものから、問題点をあぶり出すドキュメンタリー的なものまで、多種多様です。
テーマは《BORDER=境界線》とのこと。《BORDER=境界線》を少しでも可視化してみたい、としてます。例えば二条城の二の丸御殿 台所・御清所を使った高木由利子の《PARALLEL WORLD》という展示では、日常的に民族衣装を着ている人たちとDIORやイッセイ・ミヤケなどのファッションを撮影した作品を混在させて展示している。2つの世界は一見、相容れないようにも思えるのだけど、この展示では境界があるような、ないような、境界線があいまいになる。つまり境界線をテーマにして、境界線があいまいになる瞬間を見せようとしている。高木由利子の展示は、土間と板間のある天井の高い広々とした空間を思い切って使っていて、視覚的にも面白い。
二条城もそうなんですが、写真作品が展示されている展示空間がなかなかユニークで楽しかった。京都の商家をベースにした展示スペースもあれば、禅寺や茶室もあって普段はなかなか入っていけない空間を楽しめます。
まあ、会場は京都市内とはいっても18あって、閉館日もばらけていて、開館時間は多少違う。なかなか最適なスケジューリングが難しいかも。1日では難しいかも。今回は2日かけて回りました。ちなみに修学旅行生と外国人観客でカオス状態の京都ですが、平日に行ったので、どの会場も熱心な観客はいるが、ゆっくり鑑賞できました。基本、撮影可です。