信仰か幻視か、はたまた憑依か
当館での会期はすでに終わり、7月2日からは足利市立美術館に巡回開催中、その後8月末から久留米市美術館へと巡回する。
川崎展の会期終了間際に行って、なかなかの好企画だと思ったので感想を書いておく。
それよりも、当サイトにレビューが…readmore
美術館・展覧会情報サイト アートアジェンダ - 日本全国 313 の美術館・博物館と 704 の開催中&開催予定の展覧会をご紹介中!
非合理的で直接的な経験が表現者にとってかけがえのないモチベーションとなり得ることは確かです。それはある種の宗教的な体験に似ていますが、宗教以前のものであり、宗教のもととなる出来事とも解釈できます。
表現者たちは、訪れたヴィジョンをたよりに、自己を超えた名状し難い「何か」を捉えるべく身を焦がす思いで制作します。「何か」へのあこがれや思慕は、漠とした信仰心の発露ともいえます。しかし、描けば描くほど、作れば作るほど、その「何か」は、表現者の手からすり抜け別のものとなり替わってしまいます。そのため、彼らは向こうから「何か」がやってくるのを待つしかありません。本展ではこのような心情を仮に「顕神の夢」と名付けてみました。
ときとして土俗的な印象を与える作品が出来(しゅったい)しますが、それは、近代化により捨象されず根強く残った心情の証しです。このような作品は既存の尺度では、測りえないものです。かといって、排除するわけにはいきません。現に作品は凄まじい力をもって迫ってきます。ならば、私たちは、作品にふさわしい尺度を学び、鍛えなければなりません。尺度がそぐえば作品は豊かな世界を開示してくれます。また、このような観点から、いわゆるモダニズムの文脈でのみ解釈されていた作品を読み直すことも可能です。優れた作品はすべからく不可知の領域に根ざしていると思われます。
本展は、今までモダニズムの尺度により零れ落ち、また、十分に評価されなかった作品に光をあてます。また、すでに評価が定まった近代の作品や、批評の機会を待つ現代の作品を、新たな、いわば「霊性の尺度」でもって測りなおすことにより、それらがもつ豊かな力を再発見、再認識する試みです。
会期 | 2023年4月29日(土・祝)~2023年6月25日(日) |
---|---|
会場 |
川崎市岡本太郎美術館
![]() |
住所 | 神奈川県川崎市多摩区枡形7-1-5 生田緑地内 |
時間 | 9:30~17:00 (最終入場時間 16:30) |
休館日 |
月曜日 5月9日(火) ※ただし、5月1日(月)は開館 |
観覧料 | 一般 1,000円(800円) 高・大学生・65歳以上 800円(640円) 中学生以下 無料
|
TEL | 044-900-9898 |
URL | https://www.taromuseum.jp/ |
当館での会期はすでに終わり、7月2日からは足利市立美術館に巡回開催中、その後8月末から久留米市美術館へと巡回する。
川崎展の会期終了間際に行って、なかなかの好企画だと思ったので感想を書いておく。
それよりも、当サイトにレビューが…readmore
あなたも感想・評価を投稿してみませんか?
感想・評価を投稿する
より詳しい鑑賞レポート 《600文字以上》のご投稿は、
こちらから。ページ枠でご紹介となります。
鑑賞レポート《600文字以上》を投稿する
周辺で開催中の展覧会も探してみて下さい。
神奈川県で開催中の展覧会
関根正二《三星》(1919年) 東京国立近代美術館蔵(後期展示のみ)
村山槐多《裸婦》(1915-16年) 町立久万美術館蔵
萬鐵五郎《かなきり声の風景》(1918年)山形美術館寄託
関根正二《少年》(1917年) 個人蔵
古賀春江《サーカスの景》(1933年) 神奈川県立近代美術館蔵 ©上野則宏 Photo by ©Norihiro Ueno
髙島野十郎《蠟燭》(戦後期) 久留米市美術館蔵
牧島如鳩《魚籃観音像》(1952年) 公益財団法人足利市民文化財団蔵
岡本太郎《渾沌》(1962年) 川崎市岡本太郎美術館蔵
金井南龍《妣の国》(1969年) さすら蔵