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観ごたえ十分。茶道具に不案内でも楽しめます。床の間模型に設えは見事。
この季節恒例の「館蔵 茶道具取合せ展」です。茶道具は今一苦手な私は、時々パスしたりもしています。今回、展示室に当館茶室「古経楼」「松寿庵」「冨士見亭」の床の間原寸模型をしつらえ、館蔵の茶道具コレクションから選りすぐり約70点、懐石道具・炭道具のほか、織田信長を中心とした武将や大名ゆかりの茶道具の取合せなどを展観しています。ポスターやチラシでも紹介されている《鼠志野 銘 峯紅葉》《伯庵茶碗 銘 冬木》《唐物文琳茶入 銘 本能寺》《井戸茶碗 銘 美濃》など沢山の名品に出会えました。普通に展示ケースに並べられた茶道具も十分見ごたえありますが、床の間原寸模型に設えられた景色ごと鑑賞できるのは、とても素敵ですね。以前にも床の間模型が設置されていたことがあったと思うのですが、毎回??良く覚えていません。それより今回の天候のせいでしょうか、私はずいぶん前になりますが2018年2月1日? だったと思いますが‥。国登録有形文化財になったばかりの「古経楼」「冨士見亭」の特別公開で観させて頂いた時の感動が、じわ~っとよみがえりました。あの日も雪が残るお庭で、更にまた雪かという予報の寒い中でした。今年も確か? 2月1日に茶室の特別公開があった様なのですが‥、来ることが出来ませんでした。また何時かきっと、と思っています。で、いつもならお庭に出て梅や樹木の美しい冬囲いなど楽しむところ、久々に東京に降った大雪のなごりがまだまだのため、この日はお庭へは出ませんでした。次回「中国の陶芸展」の時は早春のお庭を訪ねたいですね。春山荘門から桜も眺めながら二子玉川駅に歩くのがとても楽しみです。因みに美術館のお庭が一番素晴らしいのは、やはり躑躅か皐月やシャガの花の咲く頃ですね。
脱線してしまいましたが、展覧会に戻ります。今回は特集展示として、懐石道具を中心とした茶の湯の漆芸が同時公開されています。未だ足元も悪い中にもかかわらず私が出かけたお目当てが、こちらです。西の宗哲 東の喜三郎の作品やら、《亀甲蒔絵棗》やら、漆芸好と言いながら「素晴らしい!!」としか言えない自分が情けないです。今回この日のシチュエーションからひそかに、特に観たいと思ったのは、尾形光琳《佐野渡蒔絵硯箱》です。馬上の貴人が歩みも止めぬままに、積もり来る雪を袖を頭上に差掛けて雪を避けるか、或いは袖を振って払い落とすしぐさかを… Read More