4.0
敢えてにじみを多用した絵を展示。
絵本「青い鳥」と「にじのみずうみ」の原画があり、眼福でした。
特にちひろの作品の中で今までそれほど気にしていなかった「にじのみずうみ」の絵が、にじみを多用して描かれたという意識がなく、見ながら非常に興味深かったです。
美しいにじみの周りの余白にこそ水の広がりを感じさせるという、これはいわゆる水墨画的な発想かなぁ、などと、イタリアのおとぎ話で洋風なキャラにも関わらず、日本人らしい感覚もすごく感じて、彼女の絵の技法や感覚的な部分についてもっと知りたくなりました。
他の方の感想で「複製ばっかりじゃないの!原画が観たいんです!」というものがあり、これは返す言葉もない事実で、お気持ち良くわかります。
複製も、今回はほぼ感じなかったですが、前回行った時は色の再現に関しては素人判断でも「ものによるかなぁ」と感じた次第で、本当にすごいんですけどやはりパーフェクトはありません。
ただ、わたしは小2からちひろのファンで見てるんですけど、最近見た時あまりの退色と紙の変色にぞっとしたことがありまして、その時「ああ、水彩の絵というのはその時にしっかり見ておかないと同じ色では二度と見られないんだ」という辛い現実に相当ショックを受けました。
がんがん複製して、どんどん技術を磨いて、再現率を高くして頂きたいと思います。
しかも今は安曇野開館期間中ですから、原画が少ないのはちょっとしょうがないところもある、かなぁ・・・。
実は安曇野がオープンしたての頃は、悲しくなるほどもっと原画がありませんでした。
「あっち行っちゃってるんだろうなぁ」と思いましたが、こればかりはどうしようもなく、逆に今はその当時よりもこれでもずっと原画の展示数が多いです。
この問題を解決するすることはできませんが、一つ館のスタッフさんにお願いがあります。
HPを見ても展示リストがないのですが、作っていただけませんでしょうか?
行かないと何が展示されてるかわからないというのいいこととは思えません。
原画がどれくらいあるか、複製がどれくらいなのか、一目瞭然で、お客様のがっかりも減らすことができるのではないでしょうか。
私は複製であろうが(昔の複製のイメージや意味合いと現在の複製の価値とは全く異なるものであると承知もしております)、2時間を超える道のりであろうが、行ける限りはこれからも伺います。
どうかご検討… Read More