3.0
南仏らしい作品ばかりではありません
ちょうど庭園でツツジが見頃を迎えたので、ツツジと展覧会と併せて観てきました。
南仏がテーマの展覧会ということで、満開のツツジのように花が咲き乱れ、まばゆい光が輝く南国のイメージを想像しましたが、展示されていた作品は意外と暗く落ち着いた作品が多く、イメージとちょっと異なりました。
本展のメインビジュアルが、マティスの≪ミモザ≫なので、このイメージで展覧会全体を想像してしまいがちです。
第1章は明るい海や港を描いた作品が登場しますが、アンドレ・ドランの≪パノラマ(プロヴァンス風景)≫なんかは暗い色彩とトーンの風景画です。
第2章は「避難、あるいは収容」というテーマで、第二次世界大戦中の南仏は、「敵性外国人」として収容されたドイツ人の芸術家たちや、フランスのドイツ降伏を受けて他国への亡命を求めたシュルレアリストたちが、否応なく集うことになった歴史が紹介されています。
第3、4章では、南仏に移り住んだマティス、ピカソ、シャガールを中心の展示。いずれも南仏らしい作品という訳ではありません。
多くの画家を惹きつける魅力が南仏にあるということは良く分かりましたが、もう少し南仏らしい題材の作品が多くあると、その魅力も伝わったと思います。
最後にピカソとシャガールが談笑し一緒に写っている写真があって貴重です。