加藤泉ー寄生するプラモデル

ワタリウム美術館

  • 開催期間:2022年11月6日(日)~2023年3月12日(日)
  • クリップ数:18 件
  • 感想・評価:3 件
加藤泉ー寄生するプラモデル ワタリウム美術館-1
加藤泉ー寄生するプラモデル ワタリウム美術館-2
加藤泉ー寄生するプラモデル ワタリウム美術館-3
加藤泉ー寄生するプラモデル ワタリウム美術館-4
加藤泉ー寄生するプラモデル ワタリウム美術館-5
無題、2020
ソフトビニール、プラモデル、⽊、ステンレススチール 
photo by Kei Okano
オリジナル・プラスチックモデル
photo by Kei Okano
無題、2022 
⽊、プラモデル、ソフトビニール、アクリル絵具、ステンレススチール 
photo by Kei Okano
無題、2022
⽊、プラモデル、ソフトビニール、アクリル絵具、ステンレススチール、Set of 9 pieces  
photo by Kei Okano
「加藤泉ー寄生するプラモデル」展覧会限定スペシャル ポスターリトグラフ、2022
和紙にリトグラフ
photo by Kei Okano
加藤泉ー寄生するプラモデル ワタリウム美術館-1
加藤泉ー寄生するプラモデル ワタリウム美術館-1
加藤泉ー寄生するプラモデル ワタリウム美術館-1
加藤泉ー寄生するプラモデル ワタリウム美術館-1
加藤泉ー寄生するプラモデル ワタリウム美術館-1

この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION

加藤さんとは2022年のリボーンアート・フェスティバル*への参加をお願いして、何度かお目にかかり、アトリエを訪ねているうちに、この「寄生するプラモデル」の開催となった。リボーンアート・フェスティバルのために作られたこの作品は、石巻近くで採れる稲井石を組んで、それに直接ペイントした「ヒトのような像」で、東日本大震災で最も大きな被害のあった南浜地区に唯一残った蔵の前に3体展示されていた。気持ちよさそうに横たわるその姿は、観るものをほっとさせ、生の喜びのようなものを感じさせる。

加藤さんの作品にはこの「ヒトのような像」が必ず登場する。精霊なのか、神なのか、縄文人のような古代人か、あるいは未来から来たものか。インタヴューで自身が島根県安来市の出身で、妖怪漫画で有名な水木しげるが中海を挟んだ対岸の鳥取県境港市の出身で同じ文化圏であることを話されていたが、加藤さんがそうした八百万の神と自然に囲まれて育ったことは作品に大きな影響を与えていると思う。だからといって加藤さんの作品は神がかったいわゆる“ありがたい”ものではない。今回の展覧会で使われる素材は、これまでの木や石といった自然素材に加えてプラスチック製のプラモデルやソフトビニールも登場する。加藤さんの少年期のノスタルジックな素材感からやってきたものだろう。今、加藤さんはそんな自身の育った場所や時間や潜在意識の中にある自然への思いなどを縦横無尽に取り込んで、のびのびと作品を作り続けている。

そんな現在の加藤さんの姿は、ワタリウム美術館がこれまで続けてきた美術との向き合い方とどこか通じるところがあり、同志の感のようなものを抱いた。自由や自然の力を見失いかけている2022年の東京で、加藤さんの作品を紹介できることをとても嬉しく思っている。

和多利浩一(ワタリウム美術館 代表)本展カタログのためのテキストより


新型コロナウイルスのパンデミックで展覧会が延期になったり中止になったりして、久々にスタジオでゆっくりプラモデルを作っていた。
ヤフオク!や eBay で調べていたら、動物や昆虫などのプラモデルを発見し、昔のプラモデルは面白いなーと思い、買いあさっていた。作っているうちに、これは作品に使えると思いだし、早速木彫にひっつけてみた。
これはいけると思い、どんどん作った。そうしているうちに、友人に「ゴモラキック」の神藤政勝さんを紹介された。
彼はフィギュアやプラモデルを作っているメーカーの人だった。「何かやりたいですね!」と話をしているうちに
すぐに「プラモデル、しかも石作品の!」と閃いた。
石がプラモデル。デカールが絵。
今までの僕の作品ともつながるグッドアイデアだと思う。
もちろん箱も僕が作るのだ。
素晴らしい。モチベーションは MAX だ。
そうしてプラモデルが完成し、この展覧会を開催することになりました。
プラモデルを使ったシリーズと、それらにつながる僕の作品を見てください。 ― 加藤泉


◆ 加藤泉
1969 年島根県生まれ。1990年代末より画家として本格的にキャリアをスタート。子供が描くようなシンプルな記号的な顔のかたちに始まり、現在まで人がたを手がかりに展開している。2000年代から木彫作品を発表し、現在は、ソフトビニール、石、布、プラモデルなど幅広い素材を使い制作している。主な個展として、Red Brick Art Museum (北 京、2018年)、Fundación CasaWabi (プエルト・エスコンディード、メキシコ、2019年)、原美術館/ ハラ ミュージアム アーク(東京/群馬、2館同時開催、2019年)、SCAD Museum of Art (サバンナ、米国、2021年) など。

開催概要EVENT DETAILS

会期 2022年11月6日(日)~2023年3月12日(日)
会場 ワタリウム美術館 Google Map
住所 東京都渋谷区神宮前3-7-6
時間 11:00~19:00 (最終入場時間 19:00)
休館日 月曜日 
12月31日~1月3日
※ただし、1月9日は開館
観覧料 大人 1,200円
大人ペア 2,000円
学生(25歳以下)・高校生・70歳以上の方・身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳お持ちの方、および介助者(1名まで) 1,000円
小・中学生 500円
TEL03-3402-3001
URLhttp://www.watarium.co.jp/

ワタリウム美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION

ワタリウム美術館 ワタリウム美術館

感想・評価 | 鑑賞レポートREVIEWS

4.0

「気持ち悪い」がクセになっていく

元来ヒトガタのモノは強烈に印象に残る。それが異形となればなおさらだ。
作品から目を離せなくなるし、むこうもこっちを見ている気もしてくる。
コラボするプラモデルも、馴染みのある飛行機以外は人体・動物・昆虫等々プラモデルとしては異形だ。
次々観ていくうちにクセになる珍味だ。
ついには石の作品をプラモデルにするというのだから、面白すぎる。
心の底辺をいじられるような作品群にウズウズした。
もう少し大型作品も観たかった。
1/12(木)1:30入館。混雑無し。撮影可

THANKS!をクリックしたユーザー
さいさん

3.0

向かいの三角空き地の野外作品もお忘れなく。

 プラモデルというのは良い目の付け所。ある種のレディメイドだが、あまつさえ勢い余ってプラモデル仕様の作品まで作ってしまったというのがグッドアイデア。アートのグッズ化という点で興味深い。向かいの三角空き地の野外作品もお忘れなく。

3.0

不気味でちょいキモ

ヒトの形をしたヒトではない何かにプラモデルがくっついている。
確かに寄生と言う表現が合っているかもしれない。
ただ単にくっついている訳ではなく、その何かを
支配する様な、乗っ取ってしまう様な気配さえある。
絶妙に不気味でちょっと気持ち悪い。

最上階展示室には海外製のプラモデルの箱が幾つも壁面に飾られている。
プラモデルと言ってもガンダムだとか戦闘機の類いでは無く
生物の体内が見える標本の様なモノだったり、昆虫だったりと、
あまり趣味がイイとは言えない様なものばかりである。

趣向はともかく作品はオモシロイのだが、ちょっとこじんまりとまとまりすぎである。
要するに物足りないのだ。いっそのこと、これらの気味悪い何かにもっともっと
囲まれた方がよっぽど、体感としてはオモシロイだろうに。
まあ、ワタリウム美術館のスペースを考えると仕方なしか。

THANKS!をクリックしたユーザー
さいさん

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出展作品・関連画像IMAGES

無題、2020
ソフトビニール、プラモデル、⽊、ステンレススチール 
photo by Kei Okano

オリジナル・プラスチックモデル
photo by Kei Okano

無題、2022 
⽊、プラモデル、ソフトビニール、アクリル絵具、ステンレススチール 
photo by Kei Okano

無題、2022
⽊、プラモデル、ソフトビニール、アクリル絵具、ステンレススチール、Set of 9 pieces  
photo by Kei Okano

「加藤泉ー寄生するプラモデル」展覧会限定スペシャル ポスターリトグラフ、2022
和紙にリトグラフ
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