4.0
先住民の命の文化は、これからどうなるの??
日本では絣。世界的には「イカット」というのだそうで…。織物や染色には少しだけ興味があり、テーブルセンターなどでも、いくつかのインドネシアのイカットも購入したことがあり、今回「たばこと塩の博物館」の企画展に出かけました。手織物や染色の話かと思いきや、先住民族の生業の話でした。山の民との交易で得た綿から糸を紡ぎ、藍や茜などを染めてイカットを織る海の民。藍染に不可欠な石灰を海の民との交易でまかないイカットを織る山の民。染料に必要な石灰づくりや生きていくための塩づくり、重要な交易品であるクジラ肉を得るため、男たちにより命がけの伝統捕鯨が行なわれ、クジラと塩を原動力とする物々交換の交易システムが、イカットを生み出している、というのです。今回、思いもよらず捕鯨というものについて、考えさせられました。命がけで男たちが獲ったクジラを、大切に余すところなく使う生活。日本もかつては捕鯨国だったのですよね。子供の頃はよくクジラの南蛮漬けや唐揚げを食べたことを思い出します。獲物のクジラに酒をささげ、骨まで余すところなく大切にいただいていたと聞きました。欧米では、鯨油を取るためだけにクジラを狩り、肉は不味いと燃料として燃やすか捨てるかだったと聞きました。捕鯨中継地としてペリーは日本に開国を求めたそうですね。開国後の日本にとってももちろん鯨油は生糸と並ぶ輸出品だったわけだけれど。捕鯨反対論者は日本人が高騰哺乳類でしかもかわいいクジラを残酷にも食用として絶滅の危機にさらしてた、と…? 誰が悪いかなどの話は別にして、インドネシアの先住民たちの命の捕鯨は、これからもちゃんと、管理されながらでも続けられることを祈りたいです。何故か「ちゃんちゃこ」の「空飛ぶクジラ」が頭の中に流れてきてしまいました。