3.0
まるでミニチュア人形を使ったジオラマ
だいぶ前だったと思うが、本城直季の写真を初めて見たときは強い印象を持った。大判カメラの「アオリ」を使い鳥瞰風景をミニチュアのジオラマのように見せる。ヘリコプターに搭乗して撮影したらしい。したがって斜め上から覗いた俯瞰構図になる。中央水平は焦点が合い上と下はボケる。様々な場所で撮影しているが、今後、「アオリ」技法の展開を期待したい。
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大判カメラのアオリを利用して、都市の姿をジオラマのように撮影する独特の表現で知られる写真家・本城直季。生まれ育ったまちや世界に不思議な違和感を覚え、この世界を知りたい、俯瞰したいという思いを原動力に、制作を続けてきました。
その作品はまるでミニチュアの世界のようで、私たちにこの世界の実在と虚構を問いかけると同時に、被写体である「まち」や「ひと」に対する、作家のあたたかく愛おしげなまなざしを感じさせます。
作家初の大規模個展となる本展では、2006年に木村伊兵衛写真賞を受賞した「small planet」シリーズをはじめ、独自の表現を生み出すまでの試行期の作品や、アフリカのサバンナを切り取った初公開シリーズ「kenya」、そして東日本大震災発生から3ヶ月後の東北を写した「tohoku 311」シリーズ、さらにはオリンピックイヤーの東京を被写体とした本展のための撮り下ろし作品など、未公開作を含む約200点を展示し、写真家・本城直季の目を通して見る私たちの“まち”の不思議をご紹介します。
【FEATURE|展覧会レポート】
ミニチュア化されたリアルな世界を俯瞰する
会期 | 2022年3月19日(土)~2022年5月15日(日) |
---|---|
会場 |
東京都写真美術館
![]() |
展示室 | 地下1階展示室 |
住所 | 東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内 |
時間 |
10:00~18:00
(最終入場時間 17:30)
|
休館日 |
月曜日 月曜日が祝休日の場合は開館し、翌平日休館 ※ただし5月2日(月)は開館 |
観覧料 | 一般 1,100円 学生 900円 中高生・65歳以上 550円 ※オンラインによる日時指定予約推奨 |
TEL | 03-3280-0099 |
URL | https://honjonaoki.exhibit.jp/ |
◆ オープニング記念トーク
東京会場の開催を記念して本城直季氏が、作品にこめた思いや制作の裏側を話します。
日時:2022年3月19日(土)
14:00~15:30 (13:30開場)
登壇者:本城直季(本展出品作家)、
武内厚子(東京都写真美術館学芸員)
会場:東京都写真美術館 1階ホール
定員:190名、先着順
※当日10時より1階総合受付にて整理券を配布します。番号順入場、自由席。
※イベントは諸般の事情により変更する場合があります。あらかじめご了承ください。
3.0
だいぶ前だったと思うが、本城直季の写真を初めて見たときは強い印象を持った。大判カメラの「アオリ」を使い鳥瞰風景をミニチュアのジオラマのように見せる。ヘリコプターに搭乗して撮影したらしい。したがって斜め上から覗いた俯瞰構図になる。中央水平は焦点が合い上と下はボケる。様々な場所で撮影しているが、今後、「アオリ」技法の展開を期待したい。
5.0
本城直季さんといえばミニチュアのような写真画印象的ですが、大きく展示された写真をまじまじと見ているとミニチュアじゃなくそこに居るのは本物の人で、車で、私たちの住む世界だと分かります。普段、自分の目線でしか周りは見えないけれど、いつも自分の周りには世界がこうして広がっている当たり前のことに気が付くと共に、一人一人の世界はなんて小さいのだろうと不思議な気持ちになる写真展でした。
5.0
本城直季の習作時代から最新の作品までまさに「俯瞰」できる展覧会。かなり大きく引き伸ばされた写真を見ることができる。写真集では感じられない迫力がある。
ミニチュアセットのような写真に写っている人。それは人工的に作られた模型のように見えるけれど本物の人間で、とても微笑ましくそれを見ると頬が緩んでしまう。
震災直後の東北地方の写真や都心の無人の街の映画セット的な切り取り方が作者の今後の変化の可能性を感じさせる。
4.0
本城直季氏の写真作品は、断片的ながらも過去に拝見したことがあり、ジオラマのような俯瞰する都市写真が印象的でした。今回のように一堂に代表作が集まる大規模個展は初とのことで、貴重な機会でした。
東京だけでなく外国や自然界をとテーマが広がっても、本城直季氏の作品だと一目でわかるのは圧巻です。手法の確立ぶりはもちろんのことながら、それが独学で得たものだという展示のストーリーなどからも、その深い探究心が作品の視座の中心であることに気付かされます。
作品群を通して都市、社会、そして人間の創造物による集合体を俯瞰できるとともに、作者のクリエイティビティの軌跡を俯瞰できたという意味でも、有意義な時間を過ごしました。
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《Tokyo, Japan》2002(small planetシリーズより)© Naoki Honjo
《Tokyo, Japan》2005(small planetシリーズより)© Naoki Honjo
《untitled》2002 © Naoki Honjo
《Nakayama Racecourse, Chiba, Japan》2005(small planetシリーズより) © Naoki Honjo
《line dance》2006(treasure boxシリーズより) © Naoki Honjo
《giraffe》2008(kenyaシリーズより) © Naoki Honjo
《Taito-ku, Tokyo》2011(LIGHT HOUSEシリーズより) © Naoki Honjo
《beach》2005(play roomシリーズより) © Naoki Honjo
《forest, Hokkaido》2015(plastic natureシリーズより) © Naoki Honjo