4.0
香りの器、集めてみたくなります
「香水瓶」という響きだけでも優美な感じがするけれど、古今東西の「香りの器」は実際に優美な進化を積み重ねてきたのだという、香りの文化と歴史がよくわかる展覧会。
香りを閉じこめるさまざまな造形の容器は決して大きくはないが、そこに秘められたものは時間旅行にも似た不思議な感覚を呼び覚ます。どのような人物や空間、時間の中を漂い、満たし、彩ってきたのかという、その香りが持つ物語が凝集されているかのようにも思えてくる。繊細かつユニークなデザインの瓶や日本の漆箱など、持っているだけで香りにまつわる記憶がよみがえりそうな品々ばかり。
自分も香水瓶を集めてみようかな、なんて思ってしまうくらい魅惑的で素敵な展覧会だった。