5.0
未知なるものの紹介に感謝
ずっと楽しみにしていた。少し前になるが、ボイスに関してはドキュメンタリー映画を観た際、貴重な映像も手伝ってその特異な存在感に認識を新たにしたところだった。パレルモについてはその存在さえ全く知らなかったが、作品はきわめて興味深いものであり、この2人を並べて観るという今回の企画には感謝のことばしかない。ボイスの自己演出性、神秘性を取っ払って、美術作品として素直によい部分をパレルモは上手に抽出しているように感じた。また、配布リーフレットの寄稿者にリー・キットの名前を見て、「ああそういえば…」と、リー・キットの作品との共通点などを思い返しながら観ることもでき、充実した時間を過ごすことができた。知らなかった作家とその作品を、このように紹介してもらえること、他の作家や作品とのつながりにも、思考が広がっていくこと――とても、よかった。