5.0
少数精鋭の展示!
アートアジェンダ様の招待券プレゼントを頂き行ってまいりました。
話題の築地明石町は予想以上にモダンな印象でした。
黒い羽織とちらっと見える裏地と鼻緒の赤が効いていているのが一因かと思います。
新富町は芸者持つ朱色の傘と羽織の色が霞んでいて小雨越しに見ていることがわかります。
浜松河岸は可愛らしい若い女の子と後ろの町の様子の対比が素敵でした。
しかし製作していた頃にはこれらの街の様子はもうなかったとのこと、清方の中にある美しい記憶を見せていただいている、という気分になりました。
出品の三遊亭圓朝像が伝記に近い自画像であるとの説明がありましたが、街の歴史を書物ではなく自分の画を通じて後世に残そうとしたのならば、ただ描写するというだけでなく記録や歴史書のような意味を持っていると思いました。
自分の慣れ親しんだ街をこのように描くというのはものすごく切ないなあと思いました。
話題のさん作品だけでなく、初冬の花など人物が浮き上がるような構図はとりわけモダンな印象をもちました。
常設展も一見の価値あり。常設展に組み込まれている屏風絵と比較すると三作品の特異性が見えると思う。