5.0
いい仕事、いいサポート
つくるだけでなく、まもることも大切。
特に劣化しやすい素材を使った千年ほど前の仏像を後世まで伝えていくには、相応の技とその援助が必要だと実感した。
震災からの復興は、美術・芸術面でも。
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文化財は長い時間の中で幾度かの修理を経ています。そして、いま修理が必要な作品もありますが、修理には知識と技術、そして費用が必要です。
公益財団法人住友財団では、文化財の維持・修復の費用を助成しています。その事業が間もなく30年を迎えるのを記念して、助成対象の文化財を紹介する企画を泉屋博古館(京都)、泉屋博古館 分館(東京)、九州国立博物館、東京国立博物館の4会場で同時期に開催します。
東京国立博物館では仏像の展示をします。日本の各地には多くの仏像が残っており、山間地などにひっそりとまつられる仏像からは、地域の人たちの思いが伝わってきます。東日本大震災や能登半島地震で被災した仏像を含め、大切に守り伝えられてきた仏像を展示します。
展覧会のみどころ
◆宝冠阿弥陀如来坐像(画像1枚目)
阿弥陀如来の中でも、菩薩のように髪を結うものを宝冠阿弥陀と呼びます。天台宗の高僧円仁ゆかりの尊像で遺品は多くありませんが、本像は鎌倉時代につくられた貴重な作品です。修理では、緩んでいた部材をいったん解体して再度接合し、表面の金箔も剥落しないように処理しました。それによって、優美な姿を取り戻すことができました。
◆千手観音菩薩立像(画像2枚目)
頭と体を一本の木から彫り出す技法や、肉付けの豊かな表現から、平安時代の前期につくられたことがわかります。福井県の若狭地方では最古の千手観音像です。修理では緩んでいた部材を結合し、虫があけた孔などを樹脂で強化しました。また、表面の塗り直された彩色を取り除き、面目を一新しました。
会期 | 2019年10月1日(火)~2019年12月1日(日) |
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会場 | 東京国立博物館 Google Map |
住所 | 東京都台東区上野公園13-9 |
時間 |
9:30~17:00
(最終入場時間 16:30)
|
休館日 |
月曜日 11月5日(火) ※ただし、10月14日(月・休)、11月4日(月・休)は開館 |
観覧料 | 一般 620円(520円) 大学生 410円(310円)
|
TEL | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
URL | https://www.tnm.jp/ |
5.0
つくるだけでなく、まもることも大切。
特に劣化しやすい素材を使った千年ほど前の仏像を後世まで伝えていくには、相応の技とその援助が必要だと実感した。
震災からの復興は、美術・芸術面でも。
4.0
文化財を守り続けていくうえで、欠かせない修復。その修復が施された仏像がずらっと並んでいました。修復過程をテレビで見ることはよくありますが、修復後の実物を拝見する機会はなかなかありません。気の遠くなるような作業を通して、本来の姿を取り戻した仏像はより素晴らしく感じられました。
5.0
地方のすばらしい平安~鎌倉仏を中心に予想を超える良い展示だった。
どこの時点を目指して修復するのかというのはなかなか難しいところだと思うが、今まで残ってきていること自体奇跡のようなことなので、さらにできるだけ長く・・・と願うばかり。
3.0
国立博物館の入口奥のスペースです。
仏像類なのですが、各地からきてるのだなぁ~と感心しました。
温度や光の管理を厳重にしていなければ、時とともになくなって
いくのが自然なもの。それを、今にとどめておくには、確かに
修復という工程が必要なのでしょう。その手間や過程がわかる
貴重な展示です。
4.0
キャプションの文字が大きく見やすい!年配の来館者を思って頂き本当にありがとうございます。
修復の課程をもっと詳しく展示されていると思っていましたが、ほとんどの仏像にはそれが無くて残念でした。
しかし、このような企画には大変興味があります。所蔵の寺院へ足を運んで見たくなる人も多いと思います。是非続けて頂きたい企画です。
できれば全ての展示のキャプションも大きな文字でお願いしたいです!
5.0
経年劣化や震災により倒壊した仏像が見事に修復、お披露目されていました。
同時に、実際の修理工程も写真付きパネルで紹介されていました。
剥落止めや虫損処置や補強などは想像がつきましたが、後世の過剰な彩色の除去作業も含まれることが興味深かったです。
個人的には、投入堂で有名な三佛寺の秘仏本尊「阿弥陀如来立像」が見られたのがありがたかったです。
4会場で同時期開催されているということで、他の会場の展示も気になります。
4.0
地方で大切に守り伝えられてきた仏像30点弱を展示、初見の仏像ばかりでとても良かった。修理工程詳細もキャプション展示、コアな仏像ファンもうなるコンテンツ。常設の仏像展示ラインナップも室生寺十一面観音、釈迦如来に十二神将等、観仏三昧の一時を過ごせます。
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