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森村泰昌の長編映像は必見、それを観るなら時間はかかります
1階の展示は、第一部「マルチプル_セルフ・ポートレイト」。
松井えり菜氏の変顔ポートレイト等の作品や、ユアサエボシ氏の架空の三流画家の一生を描く作品が多数並ぶ。
このテーマであれば森村泰昌氏は外せないが、平面作品は≪肖像(少年)1、2、3≫の1作品のみ。但し、75分の長尺の映像作品≪エゴ・シンボシオン≫、美術史上の大家に森村氏がなりきって、ダ・ヴィンチからゴッホ、ウォーホルなどを語るものだが、時間を忘れるおもしろ可笑しさ。普段は長編映像を避けるのですが、これは必見です。
2階の展示は、第二部「弓形とカテナリー」。
このタイトル、良く考えつくものですね。中西夏之の代表作のひとつ≪弓形が触れて≫のモチーフである弓型の曲線と、池内晶子の代表作である天井から吊るした糸の描く曲線(カテナリー)を引き合いに出して、二人の作家をフィーチャーしています。
池内晶子氏の糸の作品。好きです。
最初の部屋では、表題どおりのカテナリーを描く白い糸の作品が控えるのだが、その部屋の壁紙も白く、外部との明暗差もあって、入室直後は白糸がよく見えない。目慣れするに従い、繊細でやさしい造形が、徐々に鮮明に見えてくる。この視覚効果も計算のうちでしょう。最後の部屋には、赤い糸の作品も。塩田千春氏の魂のうねりのような糸作品とは違う。大地や空気、悠久の時空のような、自然で不動の造形がそこにある。
中西夏之。
1960年代前半のハイレッド・センター(「高」松次郎・「赤」瀬川原平・「中」西夏之の三人の頭文字の英語読みが由来)の奇行を通じて知る機会を得たのだが、この人の造形作品のアヴァンギャルドには、ギトギトではない抜け感を感じ、惹かれます。洗濯バサミ、弓形、といった代表作の展示がならぶなか、白・紫・黄緑を基調とする油彩作品「柔らかに、還元」三作は白眉と思いました。
凝ったデザインのチラシ、無料配布の作品紹介冊子、どちらも素敵です。








