4.0
風景の近代日本画えりすぐり。宇野雪村旧蔵文房具コレクションもぜひ見てください。
この季節恒例の[館蔵 近代の日本画展]に、行って来ました。去年は「花鳥画」でしたが、今年は「風景表現」のようです。橋本雅邦、小川芋銭、横山大観、川合玉堂、冨田溪仙、小林古径、橋本関雪、安田靫彦、川端龍子など、明治から昭和にかけての近代日本を代表する錚々たる画家たちの作品が並び、なかなか見どころ満載でした。足立美術館??と思うくらいに大観が多かったです(笑)。《水温む》と《霊峰四題》のうち《夏》あたりは好きです。玉堂の《松山懸瀑図》、雅邦の《秋山秋水図》、川端玉章の《浅絳山水》、もいいです。勿論みなおなじみで何度となく見ている作品なのですが。
第二展示室は特集展で、宇野雪村の没後30年を記念し、館蔵の代表作が公開されていました(展示替えあり)。前衛書というもののことはよく解らないのですが(前衛に限らずでしたね)、文字を素材に描かれた絵の様で、なんとなく見ていて楽しくなってきて不思議です。それから雪村は拓本や文房具の蒐集家・研究者として知られていて、第一展示室内には、宇野雪村旧蔵文房具コレクションも展示されていました。2018年「文房具の至宝展―机上の小宇宙」展でも宇野雪村旧蔵コレクションを見ているのですが。こちらがまたまた凄いんです。工芸好きの私にはたまりません。硯や筆や水盂にここまでの意匠を凝らす当時の文人たちに、本当に恐れ入ります。
平日の朝一、空いていてゆっくり鑑賞出来ました。茶室「古経楼」「冨士見亭」特別公開日(5/22)には行かれなかったですが、梅雨入り前、お庭は青葉がまぶしく、近くの「富士見橋」からだけでなく、お庭でも樹々の合間から、富士山がうっすら見えていました。皐月がまだ結構咲いていました。