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現代美術らしいそれぞれの
個々の作家・作品については、いろいろ感じたことはあったけれど、それぞれ、「現代アートらしい」ものとして見えて、それ以上に、ぐっとくるなにかは、雑に見るとなかった。もちろん、こちらから学んでいけばいいんだろうけれど……。
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現代美術から新たな側面を引き出すグループ展「MOTアニュアル」の第20回を数える本展では、清水裕貴、川田知志、臼井良平、庄司朝美の作家4名を、その最新作とともに紹介します。
近年、「今ここに立っている」という身体感覚を持つことがますます困難になりつつあります。通信技術や交通手段の発達により、日々膨大な情報に否応なくさらされ、どこへでも移動しやすくなったことで、その傾向はさらに顕著になっています。こうしたなかで、自分自身の足元が何によって形をなし、どこにつながっているのかをあらためて問う行為は、私たちの身体が置かれる場への気づきを引き出し、進むべき方向を探るひとつの手だてとなるでしょう。
副題にある「しま」は、4名の作家が拠点を置く「日本」の地理的条件に対する再定義を含んでいます。この太平洋北西部の島々を、他の陸地から切り離されて海に浮かぶ「閉じられた地形」ではなく、地殻変動を経て海上に現れた地表の起伏であり、海底では他の大陸や島と地続きに連なる「開かれた地形」として捉え直すことは、水面下での見えざるつながりを確かめるための別の視座を提示します。それは、従来の枠組みや境界を超え、あらゆるものが複雑に相作用する世界を見つめ、深く思いをめぐらせることでもあるのです。
本展の作家の仕事もまた、自身の足元を起点にしながら、より大きな文脈や関係へと開かれています。彼ら/彼女らは多様なアプローチを通じて、現実の世界を視覚的に置き換え、描き出すことにより、身のまわりや自己の多義性や重層性と対峙します。これらの作品は、作者の解釈や意図を超え、見る者がそれぞれの視点や感覚、経験を通して主体的に意味を見出すための装置として働き、それぞれに異なる見かたや感じかたを促します。
日本の社会は、戦後その大半を失ったところから再建を始め、経済発展を根拠とする幸福と繁栄への道を歩み、1990年代以降は低迷と停滞が続いていると言われます。しかしながら、こうしたリニアな語りにおいて、複数の要因が絡み合う対立や葛藤は、しばしば解消されないまま見落されてきました。そこで本展では、身辺の汲みつくせない出来事や状況を個々の視点から見直し、形を与えようとする作家たちとともに、もつれ合う世界の複雑さをいかに引き受けるのかという問いに向き合います。
◆ 参加作家
清水裕貴、川田知志、臼井良平、庄司朝美
| 会期 | 2024年12月14日(土)~2025年3月30日(日) |
|---|---|
| 会場 |
東京都現代美術館
|
| 展示室 | 企画展示室3F |
| 住所 | 東京都江東区三好4-1-1 |
| 時間 | 10:00~18:00 (最終入場時間 17:30) |
| 休館日 |
月曜日、12月28日~1月1日、1月14日、2月25日 ※ただし1月13日、2月24日は開館 |
| 観覧料 | 一般 1,300円(1,040円) 大学生・専門学校生・65歳以上 900円(720円) 中高生 500円(400円) 小学生以下 無料
|
| TEL | 03-5245-4111 (代表) |
| URL | https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/mot-annual-2024/ |
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個々の作家・作品については、いろいろ感じたことはあったけれど、それぞれ、「現代アートらしい」ものとして見えて、それ以上に、ぐっとくるなにかは、雑に見るとなかった。もちろん、こちらから学んでいけばいいんだろうけれど……。
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HPを読むとなにやら難しく書いてあったけど、それは企画側の意図なんだろう。それよりも4名それぞれの、しっかりとした作品自体がとても良かった。
作風も向いている方向もまったく違う、でも視点のぶれの無さはどれも面白かった。
清水裕貴の写真と投影される文字やナレーションは、写真作品に深みを与えていたし、川田知志の部屋一面の制作中作品は圧倒的で気持ちよかった。臼井良平の作品は初めはあっけにとられるが「あぁこれが作品なんだ!」と理解できると面白かった。庄司朝美の作品は、驚かされる仕掛けは無いけど、じっくり観ていると心に染みついてきた。
元々庄司朝美の作品が好きだったので、まとめて観られるのは実に嬉しかった。
ビックリするような作品群では無いけど、飽きない作品揃いなのが好感が持てた。
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