石岡瑛子 I デザイン
茨城県近代美術館|茨城県
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デザイナーの信念を感じた展覧会
展覧会はパルコの広告で埋め尽くされた空間からスタートする。商品よりもそれを通じて自らがどう生きるべきかを消費者に問うような広告に感じた。広告が世に出た1970年代は今以上に、女性の社会進出へのハードルは高かった。そのような時代だからこそ石岡氏は女性にもっと強くなってほしいという願望があったのではないだろうか。作品からのモデルには主に女性が起用されていた。一個人として自立せよと訴えかけているように感じた。
当の石岡氏はなぜ、この時代に女性デザイナーとして活躍できたのか。その疑問は、会場の作品と同じ大きさのパネルに記載された石岡氏の言葉の数々によって解消した。「デザインに男も女もない・・・石岡瑛子に裏づけられた表現をしたい」。展覧会でのタイトルにあるように石岡瑛子というIとして何を生み出すかということを考えていたのだと理解した。他にも「これからはますます個人のアイデンティティを問われる時代になる」「刺激的なメッセージから起こる共感や反発から時代の価値観を試行錯誤していこうとする」「表現者は本質を見極める努力を怠り、その甘い口説きの懐に盲目的にとびこんではならない」。これらの言葉の数々は、忖度や隠ぺいが横行している現代だからこそ読んでいて共感を感じた。
ポスターだけでなく、書籍のデザインや映画の宣伝ポスターの作成にも取り組んだ石岡氏は「地球のすべてが私にとってのスタジオ、地球のすべてが私にとっての素材」「メディアの領域は自由で広い方がいい」と語る。作品を通じて石岡瑛子という一人のデザイナーの生き様を体感できる展覧会だった。
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- BY reisefuhrer