美術の遊びとこころⅧ 五感であじわう日本の美術
三井記念美術館|東京都
開催期間: ~
- VIEW1129
- THANKS2
心眼全開
東博で神護寺展見た後、久しぶりに常設展見て回ったら、案の定ヘトヘトになった。
その後にもう1つぐらい他館展覧会行くつもりだったが、遠くは無理だと悟って三井記念美術館にした。
パンダ橋渡るまではちと長いが、銀座線乗ってしまえばこっちのもんだから(笑)
三越前で降りて最短距離の出口探して三井美へ。エレベーター乗って降りればすぐに入口だ。
受付行くと「東京駅周辺美術館共通券2024」をまだ販売していた。例年、年初に発売されてすぐに売り切れる人気チケットだが、夏まで残ってるのは珍しい。
ただ、今年はすでに半分過ぎてるし、今後再上京できるかは不透明だったから購入せず。
正規入場料払って会場へ。今回展のテーマは「五感であじわう日本の美術」ということで、どんなんじゃろかと期待は大だ。
五感すなわち、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚。視覚はまあ当然として、音が聞こえたり芳香が漂ってきたり触れる展示物があったり、さらには何か味見できるアート食品が出てたりするのかな?
答えを先に言いますと、どれも不正解。全ての作品は視覚のみで味わうようになってます(笑)
目で聴く、嗅ぐ、味わう、触るという超能力者みたいな鑑賞を要求されるわけです。
と書きましたが、心配ご無用。視覚を駆使すれば自ずと他の四感が作動するような名品ばかりです。
つまり「心の眼」で見ろってこと。(やっぱりムズイかw)
第1章は味覚。
当館でおなじみの超絶技巧が先陣を切って登場です。
高瀬好山《伊勢海老自在置物》は銀色が眩しい大海老。安藤緑山《染象牙果菜置物》はおなじみの茄子や柿といった身近な食材。
後者は反射により味覚中枢が刺激されるけど、伊勢海老ってどんな味だったかな?
あとは食器。陶磁器や漆器の名品が並んでますが、そういう器で飲み食いしたことないので味までは想像つかないなあ。
乾山の蓋つきの鉢、何入れるんだろ? 料理よりお菓子かな。ハッピーターン盛って出したいね(笑)
第2章は温度。
これは何感に該当するのかな。四季を体感で愛でる日本人ならではの感覚なのかも。
ここでの主役は絵画。応挙の山水図は季節不明も松林を渡る風は感じる。
清方の《墨河夕涼》。昔は猛暑日なんてなかったから夕涼みなんて言葉もリアルに伝わる。
与次郎作の《雲龍釜》。もちろん中に湯は入ってないのだけど、触ればヤケドする温度に感じる。
第3章は香り。
絵や屏風に描かれた草花や花の咲いた樹木からの香りを想像してみる。《武陵桃源図》はおなじみのモチーフ。満開の桃の花は遠景なので匂いはどうだろう。
光起の白菊や応挙の水仙なら、ガラスケースの向こう側はいい香りが漂ってる気にはなる。
そのものズバリは香木。香道で使うやつ。嗅いだことないので蘭奢待を目で見ても感慨は湧かないなあ。
第4章は触感。
実はこの章がいちばん楽しみだった。ひょっとしたら茶碗のレプリカがあって、触ったり持ってみたりできるのではないかと。
残念ながらそれはなく、長次郎と光悦の黒楽茶碗二点には重さがグラム数で書いてあるに留まりました。
一風変わった触感を想像させるのは巨大な水晶玉。触ればツルツルなのはわかるけど、持ち上げるのは怖い。落として割ったら大変だから(笑)
第5章は音。
冒頭で書いたように鳴り物はナシ。絵の中の鳥獣の鳴き声を想像する。鶴の一声って言うけど鶴の鳴き声ってどんなんだろ?
好山作の自在昆虫がたくさん出てました。セミやキリギリスなら鳴くけど、鳴かないやつもいます。トンボとかカブトムシとか(笑)
カミキリムシはキーキー鳴きます。
そして第6章。
6番目の章ってとこがミソ。やっぱりそう来たか、第6感! 「気持ちを想像してみる」というのがこの章のテーマ名だ。
シックスセンスですから、作品中の登場人物について何を思ってもOK。
暁斎や素絢のオモシロ絵は難易度低。見たまんまです(笑)
難易度高は能面。特に無表情なやつ。何考えてるのかわからんという独特の深遠な境地。第六感でわかる域には私は達してません。
人間の五感プラスアルファで六感。楽しいテーマの企画展です。三井美さん所蔵品は流石だなあといつものように感心しながら見て回れました。
どの美術展でもそうですが、やはり鑑賞は心の眼でするもんですね。
ところで三井記念美術館さん。財閥系美術館の中ではいちばん好きな美術館でした。
過去形で書いたのは、ここんとこ客層が悪化しているから。それは写真撮影を安易に認め始めたから。
認めるのなら、「人に迷惑をかけない」のが大前提であることを徹底してほしい。
とにかくここもシャッター音がうるさい。連射のマシンガンノイズ出す客も。おまけにベラベラ大声で会話するし。
ノブレス・オブリージュの恩恵を履き違えて享受する輩へ警鐘鳴らすことも、持てる者の大事な役割です。