没後50年 福田平八郎
大阪中之島美術館|大阪府
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不可解で不愉快な《漣》の展示休止
福田平八郎没後50年の特別展は大阪と大分の二か所で行われ、出展作品の質と量については優秀であり、2024年の好企画展として上位にランクされるものだ。
では何が問題かというと、当展の目玉でありメインビジュアルの、重文《漣》の大阪展における会期中の臨時の展示休止である。
3月9日に始まった当展が約1か月経過した4月5日に突如として告知が発出され、作品保護のため《漣》の展示を4月9日から23日まで休止し24日から会期終了まで再展示するというものだった。
作品保護であれ何であれ、通常、展示休止期間がある場合は会期が始まる前からあらかじめわかっており、特に国宝や重文といった公開日数が1年間で限定される作品は明確にその展示期間を主催者が定め周知する。
前期・後期で展示替えがある当展において、《漣》は当初から通期展示であり、良心的な配慮がなされていると感じていた。
ところが、あるAAユーザさんが当展目的で遠路はるばる東京から新幹線で大阪に来てみたら、《漣》の展示休止中という寝耳に水の事態に遭遇し驚いたという投稿が掲載された。
私もそんな告知は知らなかったので、ぶったまげたと同時に何という不可解かつ理不尽な展示中断かという内容でAAのミュージアム感想欄に書いた。
「作品保護のため」なんてのは会期中に突然起こる展示中断理由であるはずがなく、真因は他にあるのではというのが主旨だった。
その投稿は4月からずっと掲載されていたのだが、12月半ばに突然削除されてしまった。
削除の前にAAから私宛にメールが来て、私の手で削除してくれとのことだったが、たまたま数日間メールを見なかった時期で反論できぬまま強制削除という結果になった。
今さらAAにあれこれ言っても取り合わないだろうし、実は4月に本件に関しては運営とやりあって、その時も書きこみを消された経緯がある。
ここでもう一度、会期中の予告なし展示中断の問題点を指摘する。
要は、地方から高い旅費と貴重な時間を費やして、東京や京都・大阪の展覧会に行く人のことを主催者は考慮しているか、である。
前述した東京のかたは、早くからスケジュール調整し万障繰り合わせて大阪遠征されたそう。そうして展覧会場に来てみたら、目玉作品が突然の雲隠れだった。
このかたは《漣》は何度もご覧になってて、他の素晴らしい作品に大満足されたそうだからまだ救いようがある。
しかし、私がAAに指摘したのは、例えば東京だけで開催のムンク展に九州や北海道から出かけて行ったかたが、観たかった《叫び》が臨時の展示中断という憂き目にあったらどう思うかということ。
常識的にそういうことは起こらない。なぜなら主催者は事前に展示期間限定作品は精査し、展示スケジュールを組み、告知するから。
しかしそれが起こったのが福田平八郎大阪展だった。
4月に私がAAに書いたのは、重文の年間展示日数ルールを主催者は理解していたのか、知っていたらこのような会期中の突然の展示中断は起きなかったということ。
それを「作品保護のため」という観客を蔑ろにしたような一言で片づけて、ひとかけらの反省もお詫びもない主催者の姿勢は問題だとしたわけだ。
大都会に住んでいて、目ぼしい企画展は何不自由なく鑑賞できる者だけが美術館に行くわけではない。
それをAAを通じて訴えたが、とんだ徒労に終わってしまった。
展覧会主催者さんが企画や運営にご苦労なさっているのはわかります。何よりも各館の学芸員さん、キュレーターさんがやりたいことをやるというのが第一ですからね。そのために誰の何をどう見せるかに全力を尽くしてください。
でもこれだけは言いたい。
都会で開催し巡回しない、あるいは巡回先が限られるような特別展でも、地方からわざわざ出かけて行く者がいるということを。
それが少しでも念頭にあれば、大阪中之島美術館のような失態は起きなかったはずです。