武家政権の軌跡ー権力者と寺
相国寺承天閣美術館|京都府
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牧谿筆『江天暮雪図』とちょっと眉唾な伝牧谿筆『竹虎図』
室町幕府三代将軍の足利義満により創建された相国寺ということで、第一展示室は室町将軍像が並んでいました。
皆様もご存じの通り、若冲の『動植綵絵』は元はこの相国寺へ若冲が寄進したもので、毎年この寺にずらっと掛けられていたが、
明治の廃仏毀釈で疲弊した折に、皇室へ献上して1万円が下賜されました。
京都五山の一角をなす相国寺は時の権力者と強い繋がりがありました。それを残された文書や歴代の僧の日記から読み解きます。
「英雄たちの選択」という番組で「流転!足利義満が愛した秘宝」が放送され牧谿筆「瀟湘八景図」が取り上げられました。
承天閣に今出ていると教えていただきそれをお目当てに伺いました。
第一展示室入ってすぐにその作品はありました。
『江天暮雪図』牧谿筆 道有印 一幅 南宋時代 紙本墨画 鹿苑寺蔵
※京博HPから「「道有(どうゆう)」と読めるハンコが押されています。これは室町(むろまち)時代の三代目の将軍、足利義満(1356~1408)の印章」
うーん、聞いていなかったら見過ごしそうな・・・牧谿というところで足は止めたかもしれませんが、
今思えばそうかぁ夕暮れ時に雪を被っていたのかと思い出しています。国宝でも重文でもありませんでしたが、
流転の『佐竹本三十六歌仙絵』の展覧会のように、切断された「牧谿筆『瀟湘八景図』とその展開」みたいな展覧会を京博さんあたりがして下さらないかなぁ。
什物目録が作成され展示されています。その目録を元に曝涼の折に点検していたのかもしれません。
『竹虎図』伝牧谿筆 えっーこれが牧谿?二度見しました。作品の右下だったかに大きく牧谿と書かれているところもなーんか怪しいなぁ・・・
目録にあるけど見つからなくって慌てた和尚様がそこにあった虎の画に牧谿って書いたんじゃない?と勝手に思ってしまいました。
名だたる絵師たちも倣ったという
重文『鳴鶴図』文正筆 双福 明時代 絹本着色 相国寺蔵
双福の鶴の姿と構図が素敵。
『白鷹図』徽宗皇帝筆 蔡攸賛 一幅 宋時代 絹本著色 鹿苑寺蔵
徽宗!秋の茶の湯展@京博で、教科書に載っていた国宝『桃鳩図』が4日間だけ展示されますが、こちらは伝徽宗なんですよね。
この美術館時々あります、展示室でいっとき自分一人だけの時、月曜日も開いています。
今回の展覧会のことを教えてくださった方に承天閣へ行ってきたとご報告すると
「承天閣美術館は・・・しれっととんでもない宝物が出陳されてます・・・」とのお言葉、本当に「しれっと」出てました!
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- BY morinousagisan