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一笑一顰(いっしょういっぴん)-日本美術に描かれた顔-

一笑一顰(いっしょういっぴん)-日本美術に描かれた顔-

大和文華館|奈良県

開催期間:

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佐竹本三十六歌仙絵「小大君像」と再会す。

大和文華館コレクションのうちから人物像を「物語絵」「歌仙絵」「道釈画」「肖像画」「美人画」の5章だてで紹介する展覧会です。
伺った日はたまたま「無料招待デー」とのことで、いつもより来館者多めでした。
お目当ては、2019年秋に京博で開催された「流転100年 佐竹本 三十六歌仙絵と王朝の美」のメインビジュアルとなっていた 佐竹本三十六歌仙絵「小大君像」、旧蔵は原三溪。京博の時は掛軸を見上げるような展示でしたが、今回は入ってすぐの3つの独立ケースの一つに展示され、斜め上から見下ろす感じで、作品も近くそれでも単眼鏡でじっくり描線も拝見しました。折り重なる十二単も美しい。

国宝「寝覚物語絵巻」や重文の「維摩居士像」、光琳筆「中村内蔵助像」、思わず吹き出してしまう「病草紙断簡」なども展示されているのですが、

私の一押しは 伝俵屋宗達筆「伊勢物語図色紙」六段 芥川 この伊勢物語の描かれた場面が可愛くていつもキュンキュンしてしまいます。世紀の色男業平が思いを寄せる女御を屋敷の外に負ぶって連れ出します。屋敷の奥深くに住まう人は夜露を見たことがなく、きらりと光るのは何なのかと問う場面を描いているのです。顔を寄せあう「引目鉤鼻」で描かれているはずの二人が、いつ見てももう愛おしくて。

雪村周継筆「呂洞賓図」左手に水瓶、右手には蓋を持ち両手をいっぱいに広げ、ガッと上を向き、長い髭も髪を縛った紐でしょうか、衣の裾も帯も風をいっぱいに受けて、それぞれが別々の方向に棚引いています。この飛翔感がたまりません。下から旋毛風がグルグル舞いながら吹き上げているのでしょうか。いつ見ても気持ちいい絵です。

前にも一度観たことはあるのですが、「三十六歌仙色紙貼屏風」仕立ても美しい屏風です。貼屏風で、歌仙の似絵と共に和歌の色紙も貼ってあるのですが、金色の料紙が全部違う絵柄で描かれている、それも金で。歌仙絵よりも料紙の美しさに今回気づいて目が惹かれました。

お庭もこれからが美しくなる頃かと。

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