鑑賞レポート一覧

リニューアルオープンⅡ 茶の湯の陶磁器 “景色”を愛でる~

リニューアルオープンⅡ 茶の湯の陶磁器 “景色”を愛でる~

三井記念美術館|東京都

開催期間:

  • VIEW1019
  • THANKS2

黙々と茶碗を、お道具を拝見

昨今、某鑑定番組の影響で、茶碗や茶道具に対して「景色が良い」などという言葉を簡単に使いがちである。この展覧会では、「茶道具における景色とは…」ということを改めてそっとご指南くださる、そんな印象を抱いた。

 展覧会冒頭の「はじめに」には、茶道具独特の美の世界観について、次のように記されていた(部分抜粋)。
 「釉薬の変化、器の姿などに景色を感じ、そのインスピレーションから多くは文学的な銘が付けられている」「器の中に自然を見出し固有の名前を付ける」「わびさびの美を感じ」「自然の景色を見るような心持ちで鑑賞」。
 これらの内容から、各道具の「銘」は、それぞれの「景色」がもとになっていること、古人が自然の中で和歌を詠んだような気持ちで、各道具に接する…と読み取った。
また、第一章の解説にも、景色については「茶人の間で古くから共有されてきた景色という美意識」とあり、銘の付け方については、器形や文様、所持者、歌銘(和歌にちなんだ銘)などがあると記されていた。

 これらのことを頭に入れて、会場を探索する。
 まず、驚くのは、三井家ご所蔵の茶碗数の多いこと。「出品目録」には「北三井家」「室町三井家」「新町三井家」と、他館からの借用品なく「オール三井」の出品で展覧会が構成していることに興奮する。
 その興奮を抑え、一つ一つの茶碗に向き合うが、またその素晴らしさに別の興奮が発生する。そして、茶碗と道具の取り合わせやら、どんな色の抹茶がよいやら、畳の上に出された時の様子やら、あれやこれやと想像してみたり…と、こんな調子でまだ数個しか見ていないのに、小一時間が過ぎる。
 茶道具の展覧会は、全て見終えるまでにとにかく時間がかかる。そして、沢山のお茶をよばれた気持ちにもなり、茶腹で満腹…といった状態になった。

《青井戸茶碗 銘瀧川》朝鮮時代・16c 北三井家
《大井戸茶碗 銘須弥(別銘十文字)》伝古田織部所持 朝鮮時代・6c 室町三井家
重文《黒楽茶碗 銘雨雲》本阿弥光悦 江戸時代・17c 北三井家
《玳皮盞 鸞天目》南宋時代・12-13c 室町三井家
《伊賀耳付花入 銘業平》桃山時代・17c 室町三井家
《京都名所十二月(1月~ 6月)》川端玉章 明治31年(1898) 北三井家
《備前水指 銘さざれ石》桃山時代・16c 北三井家
《京都名所十二月(7 月〜 12月)》川端玉章 明治31年(1898) 北三井家
《志野重餅香合》桃山時代・16-17c 室町三井家
《織部砂金袋香合》桃山時代・17c 室町三井家
《織部大分銅香合》桃山時代・17c 北三井家
重文《赤楽茶碗 銘鵺》樂道入 江戸時代・17c 室町三井家

THANKS!をクリックしたユーザー
Nine Livesさん、Sukekiyo-Acckermanさん

鑑賞レポート一覧に戻る

こちらの機能は、会員登録(無料)後にご利用いただけます。

会員登録はこちらから
SIGN UP
ログインはこちらから
SIGN IN

※あなたの美術館鑑賞をアートアジェンダがサポートいたします。
詳しくはこちら

CLOSE

こちらの機能は、会員登録(無料)後にご利用いただけます。

会員登録はこちらから
SIGN UP
ログインはこちらから
SIGN IN

ログインせずに「いいね(THANKS!)」する場合は こちら

CLOSE


がマイページにクリップされました

CLOSE マイページクリップ一覧を見る


がお気に入りに登録されました

CLOSE マイページお気に入り一覧を見る


を訪問済みに移動しました

CLOSE マイページ訪問済みイベントを見る

CLOSE

name

参考になりました!をクリックしたユーザー 一覧
CLOSE