名画の殿堂 藤田美術館展 ―傳三郎のまなざし―
奈良国立博物館|奈良県
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「藤田美術館」来春リニューアルオープンへの助走
大阪、網島の藤田美術館、土蔵2階建ての展示室が懐かしい。
春季展は、会期初めに出かけると肌寒く、会期末なら蒸し暑いが、まさにお宝に会いいくワクワク感がありました。
しかしながら当然のごとく訪れた建替え、コロナ禍もはさんで来春リニューアルオープンです。
2019年春に奈良博で大々的な「藤田美術館展」が開催されました。特別室が用意された曜変天目茶碗を拝見しました。
が、実はそれまでも藤田美術館の土蔵の展示室で学芸員さんが懐中電灯を当ててくださって少人数で間近で拝見したこともありました。
2019年の奈良博での展覧会は、曜変天目茶碗をはじめ国宝9件、重要文化財53件全てを含む127件が展示され、
奈良博ということもあって仏教美術や奈良にゆかりのある品々が展示されていました。
この展覧会では、藤田美術館の奥の深さと申しますか、なんだか物凄いプライベートコレクションで、
しかも個人的な嗜好で蒐集されたものではなく、日本から美術品の流出を守ろうとする当時の財界人の思いも強く伝わってくる展覧会でした。
さて、今回の展覧会は来春建て替えを終えてお披露目される新装の藤田美術館への助走ではなかったでしょうか。
ここにきてまだある”初出展”の品々。
奈良博で観る「近世絵画」や「近代絵画」は新鮮な感覚でした。
この奈良博の前に寄ってきた大和文華館の雪村展にもつながる点もありました。回る順番って大事。
2019年のブログも読み返してみると
藤田傳三郎は、天保12年(1841)長州・萩の生まれです。
関西財界のリーダーとして活躍しました。「近代数寄者」の第一世代でした。
「莫大な私財を投じて美術品を収集し、国(の)宝を散逸から防げぐ」のは、当時の財界人、いわゆる幕末に生まれ明治維新後に成功した「近代数寄者」に共通した考えです。
藤田傳三郎も、すべての分野に目を配って系統だった収集で、蒐集品は多岐にわたっています。
藤田美術館の建替えに際して、手放された所蔵品も少なくはなかったし、太閤園も宗教団体へ渡ってしまいました。
それでも藤田美術館を維持していくためには仕方なかったに違いありません。
新装なった藤田美術館に出かけるのが待ち遠しい。
コロナが落ち着いていてほしい。
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