鑑賞レポート一覧

ゲルハルト・リヒター展

ゲルハルト・リヒター展

東京国立近代美術館|東京都

開催期間:

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たまたま知ったリヒターは、「偶然」を大事にする人だった

リヒターを知ったのは

2019年、同じ東京国立近代美術館の
「窓展」でした。

《8枚のガラス》(2012)
が、展示されていて

それにしても大きな
ガラスだなって思ったら

「このガラスに写った
反射を観るんです」
と、キュレーターさんが
お話しされていました。

確かに

少しずつ角度を変えて
並べられたガラスが
周りの景色を複雑に反射して、
不思議な世界を見せていました。

これがきっかけで
リヒター面白いかも!ってなりました。

今回、リヒター展では《8枚のガラス》は
会場の、ど真ん中にありました。

行ったのが展覧会最終日で人がいっぱい。
整理券が配られるほど。

通りにくいと言うか
じゃまと言うか(失礼)

ただ、

美術館のホームページによると

本展は、リヒター自身によって
構成され、8つのセクションに
分かれていると。

これもリヒターのねらい?

前回より、たくさんの人を反射して
楽しい作品になっていました!

リヒターを知るには
同じく美術館ホームページが
おすすめ。

ドイツでリヒターに学んだ
渡辺えつこさんのエピソードです。

‘’偶然性の重要性をよく口にしていました。偶然性を通して出てきた作品が作者を超えるんだって。作品は作家よりも聡明だと ‘’

だからでしょうか、

リヒターの作品は偶然を求めて
どんどん変化します。

写真を絵にしたり
その絵を、また写真にしたり

油絵をスキャンして
デジタル画像にしたり

「ガラス」や「鏡」も使います。

個人的におもしろかったのが
リヒター唯一のフィルム作品

「フィルム:フォルカー・ブラトケ」(1966)

ブラトケという男を
映しているだけの作品。

キャプションに

‘’ ブラトケの様子は
ときにコミカルで
深刻な雰囲気とは無縁です ‘’

とありましたが、
白黒でピントも合ってない。

なのに

このモヤっとした画面から目が外せない。
ずっと緊張していました。

みんなでピンボケ動画を
静かに観る、ある意味コミカルです。

最後に

《ビルケナウ》ですが

この重いテーマの作品を
どう展示するのかと思ったら

意外とあっさり入口に近い部屋に 
ありました。

観る順番の指定も無いので
自由です。

NHK「日曜美術館」で
その制作を観ましたが

リヒターは

描いたアウシュビッツの絵の上を
大きなスキージ(へら)で、
絵の具を塗り重ねてしまう。

なぜ?って思いましたが

キャンバス上を大きなスキージを持って
ゆっくり動くリヒターの姿は、
なにかの儀式を見ているようでした。

また、このリヒター展が
今の世界情勢のよう

《ビルケナウ》のすぐそばで
みんなアートを楽しんでいる。

ロシアとウクライナは戦争中だけど、
みんな普通に過ごしている。

私もそのひとり…

リヒター展は10/15から
豊田美術館で行われます。 

会場が変わると印象も変わるかも

気になります。

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morinousagisanさん、さいさん

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